キャンプを始めた当初は右も左もわからず「テント」「寝袋」「ライト」に食器とストーブ、最低限必要と思われる装備で行くケースが多いと思う。
しかし、数年経つと椅子や机、それに各種アイテムと徐々に装備が増えていくのが一般的だろう。
そこで逆のスタンス、いわゆる「最も身軽な装備」を考えてみた。
【2010/06/10更新】
条件としては
・雨の日は我慢する
・食事は質素に徹する
・季節は夏に限定
・娯楽道具は無し
・一泊ないしは二泊程度の週末キャンプ
というシンプルでストイックな方面に偏った内容だ。
(但し、ミニタープを設営して雨のときでも食事は外で行うことができる最低限の環境は構築する。)
1)テント
いわゆるフレームを必要とするドーム型テントは論外。
重さ・収納容積などを考えるとツェルト、もしくはタープを張るだけの野宿スタイルに絞られる。(中にはシュラフ+シュラフカバーという究極の野宿スタイルを実践している人もいるが、そんなハイレベルは見なかったことにしたい)
但し、ツェルトはアルパイン系で「避難(ビバーク)」に使用されることが前提に設計されており、耐久性や快適性は二の次となっている製品しかない。
その為、極端に生地が薄く、雑に扱うと穴が空いてしまうなど実用性に支障が出るほど耐久性が低い製品がほとんどなので扱いには注意する必要がある。
そのかわり収納に関して極端に追い込んだ製品が多く、そのコンパクト製はライトパッキングでは魅力的なものになる。
一般的にはライトツェルトなど大人2人が中で寝ることが出来るツェルトが人気だが、自立させるにはストックもしくはポールを2本使うか、両脇の木に細引きを結びつけて上から引っ張り挙げる必要がある。
常に両脇が木という条件も保証できる条件ではなく、ポールを2本持ち歩くのであればツェルトにするメリットも少ない。(これらは登山用のステッキを利用することが前提なので、登山しないキャンプツーリングでは効率が悪い)
そこで勧めはアライテントのシングルツェルト、これならポール1本で自立するのでソロテントのように中で寝ることも可能だ。
但し、ツェルト全般に言えることだがフライシート無しのワンウォール構造になるので内部は結露しやすいし、キャンプ用テントに見られる利便性の高い換気設備は無しとなってしまうので、そのあたりは「我慢」しかないだろう。
アライテント シングルツェルト・参考価格:8920円
・サイズ:間口(入口)90cmx高さ(入口)90cmx奥行200cm
・収納時:17x8cm
・重量:280g
・素材:30DリップストップナイロンPUコーティング
・この商品はツェルトと言う名前ですが、従来のツェルトのように、かぶって使うのにはあまり向きません。
大型のシュラフカバーやビビィザックのように、横になって使用するように設計されています。
入口も従来のツェルトと異なり側面に向かってL型に開くタイプなので、一層シェルターの中に入りやすくなっています。
入口の高さはスーパーライトツェルト1と同じですのでツェルトポールを1本だけ使用したりステッキをポール替わりに使用する事ができます。
間口90cm(入口)/60cm(足元)x高さ(入口)90cmx奥行200cmという展開サイズになり、ツェルトの中は寝ることだけを前提にした設計となっている。(つまり座る姿勢は取れない)
一人用なので中に荷物を置くスペースは無いが、出入り口が顔の位置にくるので換気に関しては自由度が高いと言えるだろう。
但し、頭部分の横幅が90cmあるので、ウエストバックなど小さな荷物を内部に置くことが出来る。
足元をペグダウンし、頭の部分を持ち上げるようにポールもしくは近くの木などで固定すれば小さなテントのようになる。
(実際には登山用ステッキをポール代わりにするイメージで設計されているようだ)
「寝る」それだけに特化した設備として考えるとタープ+シュラフ/シュラフ+シュラフカバーに次いでシンプルな組み合わせと思われる。
収納時の17cmx8cm(280g)というサイズも魅力だ。
但し、入り口にモスキートネットなど存在しないので、低地ではやぶ蚊の進入に対する対策が別途必要になるだろう。
また、アライテントから詳細スペックが開示されていないので推定となるが、耐水圧は1000mm程度と思われるので雨天時の性能は期待できない。
シームテープもシームシールもされてない(仮にシームシーラーが塗りこまれているとしても最低限だろう)と思われるので、重量は増加してしまうが事前にシームテープなどを対処するしかない。
しかし、幕体そのものが低い耐水圧なので、雨天時はツェルト全体を覆うフライシートが別に必要だ。
フライシートをしない場合はものすごい結露に悩まされるだろう。(折り畳み傘を頭上に展開して一時的に凌ぐやりかたもあるが、根本的な解決になっていない)
このサイズのツェルトをカバーし、尚且つ小型・軽量のタープとしてアライテントからツェルトタープが販売されていたが、2010年現在ではナチュラムで販売終了となっている。
非常に小型・軽量のタープだったので非常に残念だが別のミニタープを探すしかないだろう。
ツェルトだけをカバーできればいいので、2m×1m程度の面積を持つレクタタープで十分だ。
雨天の中でも食事する場所などが欲しければ3m×2mほどのレクタタープがあると便利だ。
また、キャンプツーリングでは登山ステッキを常備する人は少ないと思われる。
ツェルトを自立させるために小型ポールを1本持つのがよいだろう。
小川キャンパル(OGAWA CAMPAL) ALアップライトポール110cm 4本継・参考価格1420円(税込)
・サイズ:110cm
・折りたたみサイズ:33cm
・素材:7001アルミ合金
・メーカー型番:3022
価格も安く、全長が最も短いポールだ。
4分割されるので、1分割が27.5cmとなる。
3/4で82.5cmとなるのだが、シングルツェルトを引っ張り挙げるには数センチだけ足りない状態になる。
少々無駄では有るが、110cmのポールを立てて上から引っ張るしかない。
加工に自身がある人ならば、1分割あたり3cmほどのカットを行って調節するのがよいだろう。
また、足元部分の持ち上げにポールの先端部のみを1本使うやりかたもある。(分解して先端部のみを活用)
足元用のポールを使わない場合は頭部分に立てたポールから足元に向かって5mほどの細引きを伸ばして地面へペグダウンし、足元部分を浮かせる方法もある。
2)シュラフ
こればっかりはコンパクトにすることが出来ないが夏場でも標高が1000mを越えた場所では朝方に冷え込むことがあるので心配ならば安物化繊シュラフでいいから一つ持っていくことをお勧めする。
私の場合はインナーシュラフ+シュラフカバーだけで乗り切ってしまうが、秘密兵器?としてズボンの中に装着するインナーズボン(いわゆるタイツ・モモヒキと言われるアレ)と、薄い生地で構わないので長袖Tシャツを持っていく。
重ね着の要領で温度調整を行う形になるが、シュラフを持っていくより遥かに省スペースとなり、長袖Tシャツなどはライディング中にも使えるので意外と重宝する。
海沿いの低地しか利用しないなど温度が下がらない要因が強いのであればインナーシュラフだけで十分かもしれない。
このあたりは温度に対する個人差もあるので個別に判断願いたい。
【インナーシュラフ】
ロゴス(LOGOS) シルキーモイスラップ/SILKY MOIS LAP・参考価格:1700円
・総重量:(約)0.27kg
・サイズ:(約)幅84X長さ210cm
・収納時サイズ:幅11×奥行4×長さ22cm
・主素材:シルキーモイスクロス
・寝袋にもシーツを
・衛生的にシュラフが使える。
・丸洗いOK!
・吸水、吸湿性に優れたシルキーモイスクロスを採用
残念ながら画像の女性はイメージになってしまう。(オヤヂ的思考)
値段が全てともいえるが270gという重量や収納サイズなどを考えると最も手軽に購入できる製品だろう。
イスカ(ISUKA) シュラフシーツ サイドジッパー(SZ)・価格:2420円
・素材:コットン100%
・サイズ:80(肩幅)×215(全長)cm
・収納サイズ:6.5×6.5×23cm
・重量:250g
・収納袋付き
他の製品では単なる封筒型の構造をしている為に就寝中にトイレなどで出入りするには少々不便を感じるのは確かだったが、この製品ではサイドジッパーが付いて出入りしやすくなっている。
収納サイズ的にはジッパー分だけ他の製品より嵩むかもしれない。
モンベル(montbell) シルクシーツ・参考価格:6800円
・サイズ:最大長217×標準幅84.3cm
・カラー:ライトグレー(LTGY)
・重量:180g
・収納サイズ:3×8×12cm
・素材:シルク100%
素材がシルクということもセールスポイントだが、特筆すべきは他の製品と比較して絶対的に小さい収納サイズだ。(凡そ半分)
値段は質量に反して他の製品の倍以上になるが、それなりに軽くなっているので少しでも収納スペースを稼ぎたい人にお勧めだ。
【シュラフカバー】
モンベル(montbell) PLTX.スリーピングバッグカバー・参考価格:5250円
・サイズ:最大長225cm×最大幅84cm
・カラー:インクブルー(IKBL)
・重量:250g
・収納サイズ:約4.5cm×8.5cm×18cm(スタッフバッグつき)
・素材:40デニール・高密度マルチナイロンタフタ(表・ポルカテックス加工/裏・アクリル透湿コーティング)
収納時のサイズが小さいのが魅力だ。
この製品より更に上のランクも存在するが、保温という点だけで見ればこれで十分。
ゴアテックス製カバーと比較すれば透湿性に不安が残るが、値段も物凄いことになるので「我慢」の一言だ。
長期なキャンプ
尚、下記の2点については特に専用品(登山用とかバイク用)である必要は無い。
私の場合はどちらもユニクロのお世話になっている。(二千円かかってない…)
・インナーズボン(ハイテクももひき?)
・長袖Tシャツ
3)マット
寝心地を考えれば現在主流ともいえるインフレータブルマットのショートタイプになるのだが、ここで敢えてエアマットを選びたい。
展開・撤収がやや面倒なのと保熱効果は無いに等しい(むしろマット内部で空気が対流してしまい体温を奪う)ので夏場限定という条件もつく。
そのかわり、収納時のサイズは500mlペットボトルより少しだけ大きいくらいに収まる。
(インフレータブルマットの120サイズでも収納サイズは近くなるがエアマットならば全身をカバーすることが可能)
キャラバン(Caravan) エアーマットIIL(全身用)・参考価格:7875円
・全身用サイズ:185×47×6.5cm(空気充填時)
・重量:約480g±10g(収納袋含まず)
・素材:75DNポリエステル(ポリウレタンフィルムラミネート)
・リペア用パッチ、スタッフバッグ付き
いわゆるエアチューブマット、中にはスポンジも何も無く単純に空気を入れて膨らますだけの構造となっている。
スポンジ部分が無い為に収納時のサイズが更にコンパクトなるのが最大のメリット。
デメリットとしては空気のみで成り立つ為に寝心地に関してやや物足りなさを感じるが、厚みは十分あるので多少の凸凹は全て吸収してしまい、安定した寝心地を提供してくれる。(高さにすると最大で5cmは確保できる)
モンベルからも似たような製品が出ているが、個人的にはこちらをお勧めする。
その理由は空気の部屋が真ん中で上下2つに別れていることにある。
この手のマットは空気をパンパンに入れずに70%~60%くらいにすることであまり反発感を感じない寝心地になるのだが、上下に二分割されていることによってお尻によって押し出された空気が背中部分を押し上げないので圧迫感が少ないことがメリットだ。
モンベルの製品は上下がつながった1本のチューブを8本ほどつなげているので、お尻などで押し出された空気が背中を圧迫してしまい個人的には良い寝心地とは言いがたかった。
耐久性を考えた場合、エアチューブ系マットはエア抜けが発生したら即廃棄になる運命なのでどちらも一長一短だろう。
キャラベルは上下に二分割された構造だが、チューブが1本づつ分かれているわけではないので1箇所の穴によって上下のどちらか半分が使えなくなってしまう。
それに対してモンベル製品は1本づつ独立した構造のチューブが8本ほど合体した構造なので1箇所の穴によって使えなくなる部分は1/8で済む。そのかわり、お尻などで押し出された空気は他にまわるので背中などを圧迫する構造だ。
比べた場合、モンベル製品のほうが有利に思えるが、キャラバン エアーマットは半分が残るのでハーフマットとして使えば問題は無い。
尚、両者ともスポンジが入っていないことに起因して外気温が低い季節ではチューブ内の空気が対流してしまい地面と背中(シュラフ)の間で熱交換が行われてしまう。
それによって体の熱をどんどん奪われてしまい非常に寒い思いをするので注意が必要だ。
その場合、厚さ2mm程度の銀マットのようなレジャーシートを寝袋とマットの間に挟むなど対策することで防ぐことが出来るが、その場合はインフレータブルマットなど熱を確保可能なマットに切り替えたほうがいいだろう。
THERMAREST(サーマレスト) ネオエアー・参考価格:19425円
・寸法:51×119cm
・収納サイズ:23×9cm
・重量:260g
・厚さ:6.3cm
・R値:2.5
・メーカー品番:30800
究極の軽量マットはこれかもしれない。(値段も究極な気がするが…)
上記のキャラバン・モンベル製のエアマットと比較して素材が体温を奪わないようになっているらしく(店頭で見本を触った範囲の推測)R値だけを見ると旧製品になるが同じサーマレストのプロライト3相当の暖かさを保持しているようだ。(プロライト3はR値2.3だったと思う)
収納サイズ23×9cm、重量260gは他のマットと比較して比類なきコンパクトさを発揮していると思われる。
問題は一つ、値段だけだ…
その値段を気にする場合は以下の品がお薦めだろう。
ただし、厚みが少ないマットなので地面の凹凸を完全に吸収しきれないこともあることから「我慢できる人」限定だろう。
イスカ(ISUKA) X ライトマットレス 95・参考価格:4110円(税込)
・生地:表/ポリエステル100%・芯材/ポリウレタン
・平均重量:270g
・サイズ:50(肩幅)×95(全長)×2(厚さ)cm
・収納サイズ:直径9×29cm
・収納ケ-ス、リペアキット付
・メーカー型番:204103
・さらに軽量、短い95cmサイズが仲間入りしました。
40デニ-ルのリップストップTPU素材を使用しています。
無駄を省いたシルエットの超軽量なモデルです。
登山やクライミングなどでの更なる軽量化に貢献します。
4)ストーブ
最大でも2泊ということを考えて液燃ストーブである必要は無く、火力などを考えるとガスストーブで十分。
何を調理するかで大きく変わるが、ここでは「500mlのお湯を沸かすことが出来ればよい」という単一の目標のみとする。
その場合、高カロリーなストーブは必要ないので、イワタニプリムスのスーパーマイクロメッシュバーナー P-113をチョイスする。
燃料となるガス缶は一泊なら110サイズが一つあれば十分だ。(二泊の場合、日中もテントサイトで過ごすなら110缶が2個あれば心強いかもしれないが、1個で事足りると思われる)
110サイズのミニガス缶であればインスタントラーメンを3回作ってもガスが残っていると思われるので、一泊のキャンプをこなすことが出来るはずだ。(但し、使用コッフェルや外気温によって燃費が左右されうため、事前確認はしたほうがいいと思われる)
対抗馬としてトランギア アルコールバーナーも浮上するが、燃料を別に持っていく必要があるのと、風に対する弱さなどでお勧めしかねる。
PRIMUS(プリムス) ナノストーブ・参考価格6420円(税込)
・収納サイズ:5.5×7.7×2.8cm(本体のみ)
6.5×7.7×2.8cm(圧電点火装置装着時)
・ゴトク径:最大120mm、最小80mm
・重量:本体51g+圧電点火装置部13g
・出力:2.7kW/2300kcal/h(T型ガス使用時)
・ガス消費量:150g/h
・燃焼時間:約90分(IP-250ガス使用時)
・MFMM採用
・ナイロンスタッフバッグ付属(ガスライターポケット付)
・メーカー型番:P-114
・本体重量51g(圧電点火装置除く)を実現した世界最軽量の小型バーナーです。
付属の圧電点火装置は必要に応じて工具無しで着脱可能です。
バーナー部には風に強いMFMM(マイクロファイバーメタルメッシュ)を採用。
ブレードタイプのゴトクは一点に集約して収納可能。延長ゴトクも標準装備しています。
このストーブの欠点は五徳の頼りなさだろう。
軽量化の為に五徳は延長する仕組みも持たないので、大きなコッフェルを載せた場合は不安定になりがちだ。
今回は下記で紹介しているスノーピーク ソロセットシリーズのみを前提としているのでP-114でもなんとか使えている。
5)コッフェル
お湯を沸かすだけならシェラカップで十分だが、即席食材を調理するなら最低でも500mlの容量を持ったコッフェルが必要。
コッフェルは内側に110サイズのガス缶がすっぽり入るサイズのものを選ぶとパッキング時に困らない。
お勧めは700ml~1L程度の容量を持ったコッフェルだろう。
値段は少々上になってしまうがスノーピーク社のソロセットシリーズをお勧めする。
理由は110缶がちょうど2個入るサイズのコッフェルに加えて蓋、そして330mlのミニカップが付属してこのサイズというところにある。
「極」と「焚」の違いは素材にあり、「極」がチタンを使用し、「焚」はアルミを使用している。
登山向けのパッキングでなければどちらを選んでも問題は無いと思われる。
また、チタントレック700という製品もあるが、こちらには330mlのミニカップが付属しないので別途シェラカップなどが必要となることから個人的にはお勧めしない。(マグカップを別に持っていくこだわりがある人ならチタントレック700でもOKだろう)
蓋がフライパンになるシリーズでもいいのだが、そのタイプは直径が250サイズのガス缶を入れることを前提にしている製品しか存在せず、しかもフライパンではカップの代りにならないので物足りなさを感じるかもしれない。
チロルコッフェルなど高さを抑えた製品もあるが、カップがコンパクトに納まるという利点が一歩リードしていると思われるので、スノーピークのソロセットシリーズが最もお薦めと考えた。
スノーピーク(snow peak) ソロセット極チタン・参考価格:5649円
・サイズ:(ポット)94x122mm、(カップ)96x50mm
・容量:(ポット)830ml、(カップ)330ml
・収納サイズ:105x130mm
・重量:約155g
・材質:チタン0.4mm厚
・メッシュケース付き
スノーピーク(snow peak) ソロセット 焚・参考価格:3864円
・サイズ:(ポット)94x122mm、(カップ)98.5x50mm
・容量:(ポット)830ml、(カップ)330ml
・収納サイズ:108x130mm
・重量:約250g
・材質:アルミ0.8mm厚(アルマイト加工)
・メッシュケース付き
6)ライト
灯りは基本的にLEDタイプのヘッドランプ一つで十分だ。
しかし、夜のテントサイトを一人で過ごす場合にヘッドランプ一つでは物寂しかったりするので小さな電池ランタンが一つあると心強い。
その場合、強烈に明るい必要は無くキャンドルランタン相当の明るさで十分だ。
出来る限りコンパクトにしたいので電池にリチウムを使用した製品がお勧めだが、ランニングコストが高くつくなどデメリットもある。
電池代が気になる人は単四電池を使用した製品にするのがいいだろう。
また、ベルトが1本ではなく頭頂部を通るベルトが追加された機種は個人的に避けたほうがいいと思っている。
2本ベルトは登山など歩くことを前提にしているので静止状態が多いキャンプでは不要なものとなる。
更に首にかけて使用するといった変則的な使い方が出来なくなるので拘りが無ければ1本ベルトを選択したほうがいい。
ヘッドランプ一つで灯りを賄う場合に気にしたい点が一つだけある。
それは夜間、トイレに行くなどの場合に灯りの無いテントサイトを安全に歩けるだけの光量を持つことと、手元を照らす時は適度に減光された光であることだ。
常に「全開」で照射するヘッドランプでも構わないが、夜道を歩けるだけの[強]モードの光で目の前の道具を照らされるとしばらくは残光が残るかもしれない。
電池の持ちと、目に対する優しさという意味では強弱の切り替えが出来るモデルを選ぶのがいいだろう。
私のお薦めは以下の2つ。
ある程度の夜道(キャンプ場周辺レベル)を夜間に移動するのであればティカXP2を強力に薦めるが、夜間はトイレ以外に移動することが少ないと思われるので、ペツルのティカXP2も候補にあったが値段が倍になるのと、コンパクトパッキングを考えた場合はオーバースペックとおも思えたので候補から外した。
PETZL(ペツル) ティカ2・参考価格:3649円
・4LEDヘッドランプ
・40ルーメン(最大レベル)
・最大照射距離:29m(最大レベル)
・2段階の照射レベル(最大、エコノミー)と点滅モード
・最大照射時間:120時間(エコノミーレベル)
・角度調節機能付
・電源:単4アルカリ電池3本使用(付属)、リチウム電池使用可能
・重量:81g
電源に汎用的な単四電池を使用したモデル。
価格を考えればGENTOS リゲルヘッドライト GTR-731Hという選択もあるが、照射はON/OFFしか選択肢がないのと単三電池1本を昇圧させて点灯させることから連続10時間の照射時間しか出来ないということで候補から外した。
最大レベルで使用した場合に二晩以上のキャンプでは予備の電池が必要となるが、エコノミーモードであれば電池交換無しのまま(安心して)使うことが出来る点を高く評価した。
ライト本体の価格・汎用性・電池の入手性の高さ・使い勝手を考えるとティカ2がお奨めだ。
パナソニック(Panasonic) リチウムLED3WAYライト・参考:価格2980円(税込)
・電池寿命:強/連続約10時間・弱/連続約150時間
・光源:スタンダードLED3個
・大きさ:約65×55×35mm
・質量:約70g(電池含)
・防滴形
・メーカー型番:BF-198DP
・LED3個搭載で幅広く明るく照射。
・調光機能でシーンにより3つの使い方が可能。
・使用電池:CR123
製品そのものは以前から存在する至って普通のヘッドランプだ。
しかし、電源にリチウム電池のCR123を使用していることで質量的に非常に小型に収まっている。
光量そのものは3LEDなので現在では「普通」のレベルだが、[強][弱]の切り替えが可能となっており、しかも昇圧回路が仕込まれているらしく[強]モードでの点灯が不可能な状態まで電池が消耗しても[弱]モードで10時間程の点灯が可能というエマージェンシー的な機能まで備えている。
角度調節が上下180度可能となっているので、頭部に装着しても、首から下げても意図した位置に光を照射することが出来るので使い勝手の良さも考えられた個人的にお奨めの製品だ。
難点は電池がCR123リチウム電池なので入手性が低くは無いものの価格が高いといことだろう。
コンビニやカメラ店などでも置いてあるが1個700円ほどの値段となってしまう。
これが秋葉原の電池専門店などになると1個200円など劇的に安くなるので、入手ルートがある人なら…というのも条件に入るかもしれない。
7)食料
キャンプに慣れてくると料理に凝り始めるのだが、ライトパッキングでは基本的に食事を現地調達にして装備を軽くするのが良い。
ただし、食材が全く手に入らない状況でも夜と朝の2回分の食事が手元にあれば安心だ。
しかし調理道具が限定されるのでインスタントラーメンもしくはフリーズドライ食料あたりが妥当だと思われる。
ご飯ものであれば
尾西食品のα米シリーズ、または
サタケのマジックライスシリーズが手軽でおいしい。
インスタントラーメンを食べる人は収納スペースなどの関係で
マルタイの棒状ラーメンをお勧めする。
酒などは現地で購入し、インスタントコーヒーの粉をナルゲンボトルなどに詰め替えていけば十分だ。
人によってはスキットルにバーボンでも入っていれば十分という場合もあるだろう、私の場合は焼焼酎ミニボトルに乾き系のツマミ(さきイカ/あたりめ...etc)が2袋、それに上記のマルタイラーメンがあれば十分だ。
8)水入れ
人によっては現地で水のペットボトルを購入するスタイルもあるが、最後はゴミになるのと容量が嵩むのでライトパッキング的にはお薦めできない。
定番のプラティパスで移動中は折りたたんでおき、キャンプ場で展開して水入れにするのが良いだろう。
お勧めはプラティパス1Lだが、収納方法や価格を気にしないのであれば2Lモデルも検討すると良い。
一晩を過ごすには一人当たり2Lあると心強い。(1Lだとすぐに使い切ってしまう)
プラティパス プラティボトル 1L・参考価格1680円(税込)
・サイズ:1L
・寸法:15×27.5cm
・重量:40g
・メーカー型番:25605
・本体上部に持ち運びに便利な穴を備えた、新しい形状のボトルが新登場です。水を飲む際も手にフィットする形状。1リットルのサイズのみの発売です。
プラティパス プラティ ウォータータンク・参考価格2730円(税込)
・サイズ:2L
・寸法:15×28cm
・メーカー型番:25034
・今年のウォーター タンクは、より扱いやすい形状、開け閉め簡単なBIG ZIP開口部へと改良されました。クリーン ストリーム フィルターの貯水側リザーバーとしても使えます。
9)食器
食器でもコッフェル以外のものを意味する。
人によっては割り箸1つで済ませてしまうかもしれないが、様々な機能を持ち合わせたマルチツール的な食器が便利だ。
お勧めは長さが足りないもののフォーク・スプーンにミニナイフや栓抜き・缶切りなどが一緒になった製品だ。
これにコンビニで貰う割り箸が一つあれば事足りるだろう。
ロゴス(LOGOS) LOGOS DX チャウキット・価格:780円
・総重量:(約)0.17kg
・サイズ:ナイフ、スプーン、フォーク(約)長さ19cm
・収納サイズ:(約)幅3.5×奥行11×厚さ2.8cm
・主素材:ステンレススチール、スチール
・機能:ナイフ、スプーン、フォーク、缶切、コルク抜き
値段も安くお勧め…といきたいところだが一つだけ欠点がある。
それは全てが一体化しているためにフォークとスプーンを同時に使うことが出来ない点だ。
単一の食事であれば十分だが、複数の食材を食べる場合には不便を感じると思うので箸と併用する使い方がいいだろう。
エバニュー(EVERNEW) SAナイフ A4・価格:1880円
・ステンレス製
・缶切
・栓抜
・スプーン
・フォーク
・刃長50mm
・2つ割り
・100g(パ)185×95×15mm
個人的にはこちらをお勧めしたいが、残念な点は少々重たいのとクソ高い値段だろうか?
そのかわり二つに分かれてフォークとスプーンを別々に使えるのは非常に便利だと思う。
また、内蔵しているナイフも思ったより切れるので全長が短い意外は大きな不満は無い。
フォーク部分もしっかり作られているので固い肉に突き刺してもグニャグニャした剛性不足は感じないだろう。
この製品を7年ほど愛用しているが全長が短い意外は大きな不満を感じていない。
上記2点の共通欠点として挙げられるのは使用後のメンテナンスをしっかり行わないと錆びが発生することだろうか?
これはスチール部分が存在する限り逃げられないことだが、更に全長が短いことで稼動部分の内側にもスープなどが侵入してしまうので洗浄をしっかり行わないとイヤ~ンな状態になる。(帰宅後にハブラシで洗浄している)
衛生的な面を重視するならばシンプルなスプーン・フォークを使用したほうがいいだろう。
これはあくまでも省スペースを追求するなら…という意味でのセレクションだ。
10)椅子
基本的に不要、荷物が増えるだけだ。
そのかわりレジャーマットを一枚持って行き、座り込む形式で十分だろう。
11)タープ
テントにシングルツェルトを選択したので当然だが前室は無い。
しかも、狭いツェルトの中では寝る以外には何か作業が出来るスペースも少ない。
そこで荷物として貴重なスペースを使ってしまうが効果絶大なコンパクト系タープを組み合わせるのをお勧めする。
アライテント ツェルト用フライシート・価格:7980円
・重量:350g
・素材:30デニールリップストップナイロン
・スーパーライト・ツェルトとスタンダード・ツェルトのフライシートです。また最も小型のシェルターでもあり、小型タープでもあります。重量はたったの350g。畳んでしまえば手のひらに載るほどの大きさしかありませんが、広げると2×2.2mの大きさになります。使い方はシートの代わりの地面に敷いたり、小屋掛けの屋根にしたり、雪洞の入口やくるまっても良しと、実にいろいろな使い方ができます。
残念なことに2010年現在、ナチュラムの取り扱いが終了してしまっている。
他社に似たような軽量タープが見当たらないので代替品が無い状況だ。
唯一、近いと思える品は以下のスミィール・タープだが、重量500gと150gの増加に加えて、面積も広くなることから質量も増加しているはずだ。
更に色が黒しかないので人によってはお気に召さないと思われる。
が、念のために紹介しておく。(この品も息は短そうなので欲しい人は早めに入手したほうがいいだろう)
小川キャンパル(OGAWA CAMPAL) Sumill・Tarp(スミィール・タープ)・参考価格7980円(税込)
・生地素材:ポリエステルリップストップ75d(PUコート)
・耐水圧:1500mm
・サイズ:175X290cm
・重量:約500g(収納袋込み)
・収納時:約24X15X4cm
・ループ+グロメット各6ヵ所
・縫い目シームシール加工
・収納袋付き
・【注】この商品にはポール、ロープ、ペグなどはセットされておりません。お手持ちの物をご使用いただくか、別売の物をご購入くださいませ。
・色:ブラック
・「こんなタープ見たことない!!」だって小川キャンパルカタログ外商品だから。しかもなんと色は潔い「黒」。
・素質にはポリエステルリップストップ75dを使用し、耐水圧は1500mm。サイズは小さいけどループとグロメットもしっかり6ヵ所についている本格的なタープに仕上がっているのは「さすがオガワ」としか言いようがありません。
・「クローカー2」と一緒にセットすれば目立つのは間違なし!!
・名前の由来は色が黒なので「墨色(スミイロ)」。そして小さいタープなので「small(スモール)」を掛け合わした造語です。
また、本来はツェルトだが、展開するとタープとして使える製品がある。
変則的な形状に加え、値段も物凄いので気軽に購入するにはハードルが高すぎると言えよう。
最大のメリットは180gという超軽量な点だ。
それ以外は使う人を選ぶ(用途が極端に限定される意味)ので参考情報として挙げておく。
MSR イー・ウィング・参考価格:10500円
・重量:0.18kg
・メーカー品番:37450
また、値段がすごいがワンポールでシングルツェルトをすっぽり覆うファイントラックのフライングシェード4があるので紹介しておく。
重さは530gと最軽量ではないが、変形6角形ながらもツェルトの頭部分に使うポール1本だけを使い、他は地面へペグダウンすることで雨天時の調理スペースも確保できそうだ。
110cmポールでは他の3辺が地面と接してしまうので風通しが悪くなることから夏場は120cm以上のポールが必要になるかもしれない。
しかし、サイズ的にはシングルツェルトの最大幅80cmを大きく越える200cmとなるので予算さえ許せば強力なフライシートになってくれるはずだ。
ファイントラック(finetrack) フライングシェード4・参考価格:17640円(税込)
・素材:高強力ポリエステル(PUコーティング)、ダイニーマライン
・重さ:530g
・サイズ:330(最大長)×200(最大幅)×110(最高高さ)cm 変形6角形
・カラー:BL(ブルー)
・メーカー品番:FAG0201
・アウトドアへ出かける際に日避け・雨避けとして活躍するタ-プ。しかしその面積が大きくなるにつれ、風等の影響等での引裂き強度を考慮し、生地は厚くなり結果的に重くなってしまいます。 しかし、finetrack独自のシステムである、超高強力ポリエチレン(ダイニーマ)ラインを使用したフローティングテンションシステムにより、今まで大きなタ-プでは不可能であった軽量生地を採用することができました。フライングシェード4は、沢登り・カヤックツアー等のウォータースポーツやサイクリング・渓流釣り等にも重宝する、超軽量コンパクトなモノポールタープで、夏季であればテントとして使用することも可能です。特に使用頻度の高い大人4人が寝られる大きさに設計しております。
■で?
ズラズラと並べまくったが、私がチョイスするとなると以下の構成になる。
この量だけならば大き目のタンクバックに無理やり詰め込むことが可能だろう。
(無理すぎるかもしれない)
・アライテント シングルツェルト
・小川キャンパル ALアップライトポール110cm 4本継
・ロゴス シルキーモイスラップ
・モンベル PLTX.スリーピングバッグカバー
・イスカ X ライトマットレス 95
・スノーピーク ソロセット焚
→PRIMUS(プリムス) ナノストーブ P-114
→110サイズのミニガス缶
※バーナーとガス缶はコッフェルの中に入れてしまう。
・パナソニック リチウムLED3WAYライト
・プラティパス プラティボトル 1L
・エバニュー SAナイフ A4
・小川キャンパル スミィール・タープ
(ポールはシングルツェルトと共用する)
実際には以下の品も追加する必要と思われる。
・食料(α米/マルタイラーメン...etc)
・ツェルトの下に敷くシート
→カットしたブルーシート、またはレジャーシートで十分
・レジャーマット(食事などで座る場所に使用、百円均一ので十分)
・枕
→ライディングウェアなどを丸めて枕にすれば十分
・何かを拭き取るもの
→定番のトイレットペーパーの芯を抜いたもので十分
→または大き目のバンダナが1枚あれば十分
場所によっては以下の装備も検討したほうがいいだろう。
[防寒対策]標高が高い場所では用意しておくのが良い
・インナーパンツ(ももひき!)
→ユニクロ ヒートテックがお薦め
・長袖Tシャツ(薄い生地ので十分)
実際にキャンプした場合には「あれが欲しい」と要望が次々に出てくるかもしれない。
個人的にはキャンドルランタンとラジオ、それに酒を飲むための小さなカップだろうか?
豪華なキャンプも良いが、初心に戻ってシンプルなキャンプをしてみるのもたまには良いだろう。
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