おすすめの焚き火台(2010年秋版)

Ryu Shobi

2010年10月04日 00:43

春先や秋には寒さを感じるが、その寒さを解消してくれるのが火。
周囲の気温は徐々に落ちていく夕闇の中、ゆらめく炎を眺めながら暖を取りつつウィスキーを口に含んで静寂を楽しむなんて行為は暑い夏には味わえない醍醐味がある。
しかし、直火可能なキャンプ場は少なく、大抵が焚き火台など地面を痛めない(汚さない)装備を必要としている。
そこでソロキャンプ中心のキャンプで使える手頃な焚き火台をセレクトしてみた。
2010年10月時点ではコンパクトな焚き火台に悩めるほど製品の数が多くないことから選択の余地は少ない。
自分が求める内容とパッキング時の質量を照らし合わせ、最後に予算と睨めっこするしかないだろう。

尚、2010年3月に「おすすめの焚き火台」としてリストアップした下記2製品はナチュラムでの取り扱いが終了していた。(残念)

「サカイトレーディング(SAKAI TRADING) CAR BABY ミニバーベキュー」
「CampersCollection(キャンパーズコレクション) フォールディングBBQコンロ F2527」




ロゴス(LOGOS) ロゴスピラミッドグリルM
・定価:5,565円
・参考価格:4,452円
・総重量:(約)2.2kg
・サイズ:(約)幅36×奥行36×高さ20.5cm
・焼き網サイズ:幅31×奥行31cm
・収納サイズ:(約)幅31×奥行31×高さ5.5cm
・主素材:スチール、ステンレス
・メーカー型番:81063104
・焚き火、バーベキュー2つの楽しみがこれ1台でOK!
・簡単!10秒組み立て、10秒収納
・収納サイズは極薄コンパクト
・キャリーバッグ付

現在のところ最も【お薦め】なのがコレになる。
以前は実売価格が3千円台半ばという状況だったので手軽に入手しやすかったが、最近では4千円台半ばになってしまったピラミッドグリルM。
しかし、安い価格で焚き火も炭火もこなす絶妙のサイズに拘るとピラミッドグリルMしか選択肢が無いのが現状だ。
地面から程ほどの高さを持ち、焚き火用の薪を投入しても大丈夫なギリギリの大きさとも言えるので、炭火だけに拘らないのであればコレしかないだろう。
炭火で焼き物をする場合にも30cm×30cm程度の網面積を持つピラミッドグリルMは丁度良いサイズでもあった。
値段は気にしないので軽さを求めたい人はスノーピーク 焚火台 Sという選択肢もあるが、400gを軽くする為に倍以上の値段をかけられるかどうかが分岐点だろうか。




スノーピーク(snow peak) 焚火台 S
・参考価格:9240円
・サイズ:270x270x210mm
・材質:SUS304
・重量:1.8kg
・収納サイズ:350x410x25mm
・キャリングケース付き
・メーカー型番:ST-031

このメーカーのコーヒードリッパーのようなスタイルだが焚き火台だ。
しかし値段がアレなので、商品画像で気になった人が価格を見ると目を疑う数字というのが有る意味スノーピークらしい所だろうが、ステンレス製で重さ1.8kgというスペックは軽い部類の製品になるだろう。
他の製品が体に入らない場合で予算に余裕があり、更に絶対に焚き火台が必要という非常事態以外に購入するのは*マーク信望者だけだろうか。
実売が5~6千円台であればギリギリ購入対象となるが、この価格である限り一般的には厳しいと言わざるを得ない。
品質的には十分良いレベルなので値段だけが欠点とも言える惜しい品だ。




ダンロップ(DUNLOP) コンパクトストーブステンレス
・参考価格:11,970円
・素材:耐熱ステンレス
・収納時サイズ:H2.8×D9.8×W18.8cm
・組立時サイズ:H16.5×D18×W18.5cm
・重量:約1.1kg
・耐荷重:30kg
・メーカー型番:BHH102

「VHS」という文字が一瞬だけ脳裏を過ぎるが気のせいだろう(多分)。
これは焚き火台というよりは炭火専用という趣の製品だが、着目すべきは収納時サイズの非常にコンパクトな点だろう。
薪を投入して焚き火を楽しむには無理があるサイズだが、炭火を入れて焼き物をしたり暖を取るには十分な容量を持ち、収納もコンパクトという内容なので、炭火オンリーで考えている人は検討してみてはどうだろうか。
但し、組み立てに要する工程はピラミッドグリルなどよりは多少多いのと、熱で歪んだ場合は少々面倒になるので覚悟が必要だ。
それよりも値段かもしれない…




ユニフレーム(UNIFLAME) ネイチャーストーブ
・参考価格:4600円
・使用時サイズ:130x130x160mm
・収納時サイズ:130x130x15mm
・重量:320g
・材質:18-8ステンレス
・メーカー型番:683033

大抵の人はネイチャーストーブを見て興味が出てくるはずだ。
キャンプ場に落ちている小枝やまつぼっくりを集めれば手軽に火遊びが出来るかも…と。
しかし現実は甘くなく、小枝はあっという間に燃え尽きてしまい松ぼっくりも同じ運命に。
しかも木炭などを投入して炭火台として使おうにも10cm四方程度の網サイズでは食材を1個づつチマチマと焼くしかないので食べながら…という訳にも行かず、木炭も小さくして小まめに投入し続けるしかない。
結局、部屋の中で待機し続ける結果になってしまう例が多いはずだ。

それでは小型すぎるネイチャーストーブを実用的に使うにはどうしたらいいか?
オガ備長炭などの火持ちが良い炭を使い、すぐに焼ける小さな肉を次々に焼きながら使うなど工夫するしかない。(長さの調節に苦労するだろうが、オガ備長炭であれば着火さえしてしまえば3時間くらいは炭の追加なしで熱源となってくれる。)
その代わり、自分のスタイルに取り込めた時は非常に小型なボディにもかかわらず「暖」を取れる道具として重宝できる。
しかし、質量そのものが非常に少ないので熱量も少ないのは確か。
卓上七輪程度の熱量が足元にあるだけなので、地面にアグラをかいて座り込むようなスタイルでなければ恩恵は少ない。
少なくとも椅子に座って足元にネイチャーストーブという状態では暖かさは半減だろう。
これはコンパクトなテントをコンパクトに使う人の為の道具と思ったほうがいい。




ユニフレーム(UNIFLAME) ネイチャーストーブL
・参考価格:6,700円
・収納時サイズ:200×210×25mm
・使用時サイズ:200×210×250mm
・重量:1050g
・材質:18-8ステンレス(メッシュ部のみ耐熱鋼
・メーカー型番:683057
・燃料供給用の扉が付いて、コンロの機能を高めた大型クッカーも使用可能なLサイズモデル。


先に結論を言ってしまうとネイチャーストーブは焚き火台として使うよりは、純粋に炭火台として使ったほうがいい。
これは燃料供給用の扉が付いて、コンロの機能を高めた大型クッカーも使用可能なLサイズモデル。
一般的にはこれよりサイズの小さいネイチャーストーブが有名だが、ピラミッドグリル・コンパクトと同じで炭を置く場所の容量が少ないので活用には制限がつきまとう。
また、ネイチャーストーブ(L)専用の網が出ているが、専用だけあって収納袋へも収めることが出来るのでセットで購入時するのを薦める。

このサイズであれば薪を投入して焚火が可能なのではないか?と思うだろう。
実際にやってみると小枝などの細い薪なら良いが、キャンプ場の管理棟で売っているような太目の薪を投入するとネイチャーストーブの売りである煙突効果を発揮するだけの空間が確保できずに燃え切らない状態になってしまうことがある。
薪を2本だけなど数を減らし、上部の空間を確保してやればなんとかなるのだが炎が小さく焚火としては物足りない結果になる。
こればかりはピラミッド型の焚火台に敵わないと思うパターンだ。
木炭などであればある程度の空間を確保できるので煙突効果が発揮されて十分な熱量を提供してくれる。

ところでネイチャーストーブ系は地面への輻射熱が強いのでピラミッドグリルなどと違い置く場所を選ぶ。
下が芝生であれば確実に焦げてしまうので石や鉄板など地面をガードする装備も必要となる。
その場合は下記の製品などが使えると思う。
ネイチャーストーブ(L)の足部分の展開寸法は約210×235mmなのでピッタリ収まる訳ではないが、地上高を稼ぐことができるので地面へのダメージは大幅に削減されるはずだ。
下に台を置いて使う場合、ネイチャーストーブと台の間に金属の板を一枚挟んでおくと地面へのダメージが更に少なくなる。
これは百円均一ショップで販売されているガスレンジの油飛びを防ぐレンジガードで十分。
薄いアルミの板だが、ハサミで加工できるほど薄い割りに遮熱効果は高く、そしてコストも低い。
ネイチャーストーブと台の間に遮熱用の板をアルミホイルで構わないので挟めば高い確率で地面へのダメージを防ぐことが出来る。


キャプテンスタッグ(CAPTAIN STAG) ジャンジャン焼き角型焼きアミ
・参考価格:456円
・組立サイズ(約):265×205×高さ65mm
・材質:鉄(クロムめっき)
・メーカー型番:M-8031
・折りたたみ式足付



キャプテンスタッグ(CAPTAIN STAG) キャンピングワイドセカンドグリル
・参考価格:890円
・組立サイズ:(約)幅455×奥行200×高さ185mm(焼網面=305×200mm)
・材質:鉄(クロムめっき)
・メーカー型番:M-7566





ロゴス(LOGOS) ピラミッドグリル・コンパクト
・定価:4,410円
・参考価格:3,969円
・総重量:(約)1kg
・サイズ:(約)幅19×奥行19×高さ15cm
・収納サイズ:(約)幅24×奥行18.5×高さ3.5cm
・焼網サイズ:(約)幅16×奥行16cm
・主素材:ステンレススチール、スチール
・メーカー型番:81063112
・瞬間組立 約10秒
・専用ポーチ付

お薦めのピラミッドグリルMのコンパクト版になるが、はっきり言って焚き火は無理だ。
では何がメリットかと言えば炭火で暖を取る、または簡単な焼き物をしたい場合に場所を取らない&パッキングスペースが少ないという点だろう。
このサイズに近い焚き火台(炭火台?)は他にもあるが、価格を考えるとピラミッドグリル・コンパクトが最も安い製品でもあるのだ。
また、ネイチャーストーブなどと違って地面への熱ダメージも比較的少ないことがメリットでもあるが、あくまでも「少ない」だけだ。
下が枯れ草などの場合には気がつくと熱によって燃えていることがあるのでピラミッドグリルMのような使い方は無理だと思ったほうがいい。

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