■フィラメント球とLED球
最近ではLED球の進歩も目覚しく、常時点灯可能な製品で200ルーメンのスペックを明記した製品が出てきた。
200ルーメンなどの明るさはシュアファイア社のフラッシュライトなどが誇っていたものだが、それがLEDライトでも実現されてきて特別なものではなくなってきた。
但し、フィラメント球とLED球では光源としての特性に大きな差がある。
■LED球の欠点
消費電力が少なく耐久性も高いLED球だが、欠点が無い訳ではない。
フィラメント球との比較ということで大雑把に書くと、一つは光の帯域、もう一つはリフレクタとの相性だ。
LEDの帯域についてはランタンでも書いたが、光の成分の僅かな範囲のみで光るのがLED、無駄な領域も含めて光るのが電球だ。
無駄な領域の一つが「熱」であり、電力が熱として消費されていることから点灯時間が短いことになっているが、乱暴ではあるが幅広い範囲の可視光線が出ているのが電球だ。
対してLEDは無駄な帯域を持たない仕組みなので熱も少ない、そのかわり可視光線域でも一部分しかカバーされない傾向が強いので人間からすると電球よりも光の情報が少ないということになり、照射された対象物を認識し辛かったり、遠くまで光が飛ばなかったりする。
この遠くまで光が飛ばないのは帯域もあるがリフレクタの問題もある。
電球・LED単体では光りを周囲に撒き散らすだけで遠くのものを照らすことができないので大抵はリフレクタを使って光を集め、光束として一定方向へ送り込んでいる。
この光束が狭い角度であればスポットライトとして遠くのものを照らすことができ、広い角度であれば手前の広い範囲を照らすことが出来る。
既存のリフレクタはフィラメント球のように光源が浮いた状態で後方に飛ぶ光を反射・集光させて前方へ照射させるのが基本となっているが、LED球は台座に面として光源が構築されることから光源が浮いておらず正面から横方向までしか光が出せない。
そのためリフレクタで反射させる光は主に横方向からの光となり、フィラメント球のように後方へ出る光を反射させる要素が無い。
ここから先は私も詳しくは知らないが、上記のような違いもあってスポット光としている製品でもフィラメント球のライトのように光が集まらず、少しだけボヤけたスポット光になってしまっている。
歩く手前の道を数メートルだけ照らすことができれば十分という場合には関係ない話だが、LEDは万能ではないということで理解頂きたい。
■キャンプでのハンドライト
ここからようやく当blogらしくなるのかもしれないが、キャンプでハンドライトを使うシーンというのは思ったより多くない。
というのも明るいヘッドランプが1個あれば大抵のシーンで事が足りてしまうからだ。
趣味の範疇ではこういった「念のため」とか「雰囲気があるから」という他愛も無い理由がほとんどだろう。
私の場合はヘッドライトのみで過ごしてしまうが、ハンドライトは必ず予備として持っていく。
ただ、キャンプ場が広くてヘッドランプだけでは物足りない場合や、キャンプ場に併設されたような温泉があって暗くなってから移動する場合にはハンドライトが有効だった事がある。
特に雨で路面が濡れている場合などは弱い光のヘッドライトだと光が吸収されてしまい強烈に明るい、もしくはスポット光に調節できるハンドライトが非常に重宝したことがあったので、今も予備として遂行している。
■お薦めは?
フィラメント球で明るいフラッシュライト系はバルブそのものも使用時間が短く高価だ。
ミニマグライトなども出た当時は明るいといわれたが、今となっては暗い前世紀の製品としか言いようが無い。
現在であれば小型で明るいLEDライトが出ているので、購入するならそれだろう。
但し、FENIXなど魅力的なライトがあるのだが入手性などを考慮するとGENTOS一択になってしまう。
・参考価格:1679円
・重量:102g
・明るさ:100ルーメン
・照射角度:約8~30°
・電池:単4アルカリ電池×3
・フォーカスコントロール
明るさ100ルーメンは決して高性能ではないが、重さ102g、フォーカスコントロールと必要最低限な機能に加えて処分価格だとは思うが2000円しない金額は最もコストパフォーマンスに優れると思う。
他のモデルと比較して物足りないのは明るさを落とすディマーコントロールだろう。
電源として単四乾電池が指定されており、エネループ対応が明記されていないが大抵は使えてしまう。
片手で握れるサイズのハンドライトとしてお薦めだ。
---仕様---
・チップタイプ白色LED
・照射範囲調節(フォーカスコントロール)機能
・最大出力:1.16w
・明るさ:100ルーメン
・実用点灯:10時間
・照射距離:100m
・サイズ:約103cm×径29mm
・重量:102g
・ON/OFFテールスイッチ
・単4アルカリ電池3本(付属)
・ストラップ付
・防滴仕様
・メーカー型番:SG-305
・ジェントス閃シリーズです。照射範囲調節(フォーカス・コントロール)機能を搭載したLEDフラッシュライト、ヘッドを回すことにより照射角度(約8~30度)を無段階で調整可能、近くはワイド、遠くを照らす時はスポットビームで照射できます。単4アルカリ電池3本使用で、明るさ100ルーメン、スイッチはON/OFFのテールスイッチです。
・参考価格:3675円
・重量:148g
・明るさ:120ルーメン
・照射角度:10~35°
・電池:単四アルカリ電池×3
・フォーカスコントロール
・スムースディマーコントロール
・エネループ対応
先に紹介した閃 SG-305とは別ラインとなるドミネーターシリーズのコンパクトモデルだ。
こちらは明るさが120ルーメンにアップしており、更に明るさを調節できるディマーコントロールも装備している。
個人的には常に明るい光が必要とは感じていないので、ディマーコントロールが使えるこちらのモデルがお薦めなのだが重量が148gということで少々重たいのがお薦めしかねる理由だ。
今回のお薦めリストで最も点灯時間が短い製品でもあるが、週末を利用した一晩・二晩程度のキャンプであれば7時間の持続時間があれば十分だ。(ミニマグライトは4時間程度の持続時間だった)
---仕様---
・本体サイズ(約):直径34×122mm
・重量(約):148g
・電源:単四アルカリ電池×3本付属(テスト用付属)
・実用点灯:約7時間(100%)、約70時間(10%)、14時間(クイックフラッシュ)、17時間(SOS点滅)
・チップタイプ白色LED1灯使用
・明るさ:約120ルーメン
・ストラップ、オリジナルポーチ付属
・フォーカスレンズ
・フォーカスコントロール(10°~35°無段階調節)
・スムースディマーコントロール
・インスタントオフスイッチ
・照射距離:約145m(スポットビーム最大時)
・防滴仕様
・エネループ対応
・メーカー型番:DC-100F
・フォーカスコントロール採用で照射角を10度~35度まで無段階に調節可能
・スムースディーマーコントロール採用、スイッチの長押しで光量を10%~100%まで無段階に調節できます。
・モールス信号と同じSOSと同じパターン点滅
・クイックフラッシュ機能付き
・明るさ120ルーメン ドミネーターの基本モデル
・水に濡れても安心な防滴仕様
・参考価格:3670円
・重量:180g
・明るさ:160ルーメン
・照射角度:12~40°
・電池:単三電池×2
・フォーカスコントロール
・スムースディマーコントロール
・エネループ対応
LEDランタンが単三電池を使用しているので、電池を統一したいという人などにはこちらだろう。
またもやドミネータシリーズになってしまうが単三電池を2本使用して160ルーメンの明るさを実現する。
最大の欠点は大きさと重さ、特にLEDの熱を手に伝えないために二重構造となっているので180gという重さは手に持つとずっしり感じるのでサブライトとしては大袈裟な部類だろう。
そのかわり、汎用電池にも関わらず明るいメリットが受けられるので、1週間以上の長期キャンプに遂行するのであればミニマグライトに並んでお薦めのライトだ。
---仕様---
・本体サイズ(約):直径31×161mm
・重量(約):180g
・電源:単三アルカリ電池×2本付属(テスト用付属)
・実用点灯:約7時間(100%)、約70時間(10%)、14時間(クイックフラッシュ)、17時間(SOS点滅)
・チップタイプ白色LED1灯使用
・明るさ:約160ルーメン
・ストラップ、オリジナルポーチ付属
・フォーカスレンズ
・フォーカスコントロール(12°~40°無段階調節)
・スムースディマーコントロール
・インスタントオフスイッチ
・照射距離:約152m(スポットビーム最大時)
・防滴仕様
・エネループ対応
・メーカー型番:DC-105F
・フォーカスコントロール採用で照射角を12度~40度まで無段階に調節可能
・スムースディーマーコントロール採用、スイッチの長押しで光量を10%~100%まで無段階に調節できます。
・モールス信号と同じSOSと同じパターン点滅
・クイックフラッシュ機能付き
・明るさ160ルーメン
・水に濡れても安心な防滴仕様
・参考価格:4460円
・重量:104g
・明るさ:200ルーメン
・照射角度:12~40°
・電池:CR123Aリチウム電池×1
・フォーカスコントロール
・スムースディマーコントロール
最後もやはりドミネータシリーズになってしまった。
単四電池を3本使うDC-100Fよりも一回り小さいサイズだが明るさは200ルーメンという破格のスペックだ。
但し、100%点灯時は5時間しか点灯できないのと、電池がCR123Aリチウム電池を1本使うというのが難点だろう。
リチウム電池は格安な店で購入しないと1本700円近くの値段となってコスト的に優れないからだ。(安い店だと1本200円程度で入手可能、また最近ではニッケル水素の充電タイプも出てきた)
そのマイナス要素さえ気にしなければコンパクトなボディで104gの軽量、それに200ルーメンの明るさという強力なスペックを手に出来る。
気分的にはフラッシュライトに近くなっているとは思うが、懐に忍ばせておくには十分すぎるライトだ。
---仕様---
・本体サイズ(約):直径31×97mm
・重量(約):104g
・電源:CR123Aリチウム電池×1本付属(テスト用付属)
・実用点灯:約5時間(100%)、約25時間(10%)、10時間(クイックフラッシュ)、12時間(SOS点滅)
・チップタイプ白色LED1灯使用
・明るさ:約200ルーメン
・ストラップ、オリジナルポーチ付属
・フォーカスレンズ
・フォーカスコントロール(12°~40°無段階調節)
・スムースディマーコントロール
・インスタントオフスイッチ
・照射距離:約168m(スポットビーム最大時)
・防滴仕様
・メーカー型番:DC-109F
・フォーカスコントロール採用で照射角を12度~40度まで無段階に調節可能
・スムースディーマーコントロール採用、スイッチの長押しで光量を10%~100%まで無段階に調節できます。
・持ち運びに便利な9.7cmの小型ボディ
・モールス信号と同じSOSと同じパターン点滅
・クイックフラッシュ機能付き
・明るさ200ルーメン
・水に濡れても安心な防滴仕様
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