Zippo ハンディウォーマー

Ryu Shobi

2013年09月24日 15:28

北海道で気温0度が観測されたなど、夏の猛暑から一転して秋の訪れの先に冬の足音が聞こえてきたような気がする。
関東から東側や標高が高い場所では秋のキャンプと言えども防寒対策が必要になってくる季節だ。
ダウンジャケットを着こむのもいいが、今の季節は本格的な装備を纏うにも少々気が引ける。
そこで、懐に忍ばせておいてスリムに仕上げる「懐炉」はどうだろうか。

Zippo(ジッポー) ハンディウォーマー

初代モデルは2002年12月に登場、中身は古くから不動の地位?を確立しているハクキンカイロのOEMなので性能と信頼性は確実なものがある。
ベースモデルはハクキンカイロ PEACOCK、一時期は3Rとも言われたオーソドックスなモデルだが、Zippoハンディウォーマーはカバーのスリットなどデザイン面も含めて変更点が多い。

燃料はジッポ純正オイルが推奨されているが、ハクキンカイロ用のオイルや、ベンジンカイロ用のベンジン/ホワイトガソリンも大抵の製品が使える幅広さを持っている。
入手のしやすさではジッポオイルだが、コストパフォーマンスを考えた上で入手性も考慮するとハクキンカイロ専用のベンジンがお薦めだ。
燃料を付属のカップでハンディウォーマーの綿へ注ぎ、最大で24時間(条件により時間は少しだけ変化する)の発熱が可能だ。
本体はそのままだと熱くて持てないほどになるので、付属のケース、または別売りの汎用ベルトなどで覆う必要がある。
使い捨てカイロと違い、厚みのある温かい熱源は急な寒さに出会っても非常に安心感を与えてくれる。

Zippoハンディウォーマー(ハクキンカイロ)はバーナー部の触媒(プラチナ)が気化したベンジンに「反応」して熱を発する仕組みだ。
決して「燃焼」している訳ではない。
このバーナー部、差込口のサイズはハクキンカイロPEACOCKと同じ為にどちらのバーナー部も共用が可能だ。(ハクキンバーナーをZippoハンディウォーマーに装着すること可能だし、逆も然り)
使い方にもよるが、早い人は1年に1回、冬場は数日に1回は使用する私の場合でも2年~3年のサイクルでバーナー部を交換している。
交換しないとどうなるか?というと反応が弱くなり、発熱が少なくなるのと外気が冷え込んだ時の立ち消え(使っている最中、急に熱が無くなってしまう)の頻度が多くなる。
このバーナー部の交換さえ行っていれば故障する個所はまず無いので高い信頼性を持っているともいえる。

冬の真っただ中にZippoハンディウォーマーが1個あれば十分か?と尋ねられたら、私は「3個揃えなさい」と答えるだろう。
2個はベルトに入れて腰に巻き、残る1個をポケットまたは上着の内側に貼り付ける(吊るす)ように勧める。
また、ベルトの2個はテントの中でシュラフへもぐる時にシュラフの中の足元へ転がしておくと「あんか」にもなってくれるので快適な睡眠の助けにもなる。(ベルトからハンディウォーマー本体が飛び出て火傷をしないよう、タオルで巻くか薄い布の袋に入れると安全だ)
ポケット用の1個は付属のフリースにベルクロを縫い付け、ライディングジャケットの内側にもベルクロを縫い付ければ胸の位置に固定できるので走行中の防寒に非常に役立つ。
この時、心臓付近になる左胸に配置すると効果は大きい。
落下防止の為に安全ピンとヒモでハンディウォーマーのケースを繋ぎ止めておくと安心だろう。

しかし燃料にベンジンを使うので一つだけ欠点がある。
それは…「臭い」
ベンジンが気化して触媒に反応した後、わずかだが分解された水と元のベンジンの匂いがする。
これが気になる人はハンディウォーマーを受け入れられないだろう。
でも、代替え可能なポケットに入る熱源で24時間クラスの稼働が可能な製品は無いのが現状。
欠点を受けれられるかが分かれ目だ。

あと、燃料についてだが、メーカー推奨の燃料以外の品となってしまうがコールマンのホワイトガソリンも使える。
油脂的にはジッポオイルもハクキンカイロ専用ベンジンもコールマンのホワイトガソリンも「ベンジン」という大きなカテゴリに入る。
但し、ジッポオイルはパラフィンが配合されているし、ハクキンカイロ専用ベンジンもカイロ用として成分調整がされている。
どちらも持ちが長くなる要素が追加されていると思っていいが、コールマンのホワイトガソリンはガソリンストーブ用なので燃焼しやすい(反応しやすい)要素が強いのか、熱量がやや上になるものの「持ち」に関しては他の燃料に劣る要素がある。
私としては素直に「ジッポオイル」を使用し、緊急時などに代替え品としてコールマンのホワイトガソリンが使えると思っている。
尚、バイク・車用のガソリン(通称:赤ガス)は成分が異なるし、揮発性や燃焼性が危険な領域に入っており、触媒が燃えてしまうだけではなく発火や爆発の危険もあるので絶対に使用してはいけない。

ハンディウォーマーが気になる人は、まず一つ買い、使ってみて自分の用途に合っているか確認したほうがいい。
気に入ったなら、冬場の凍える体を確実に温めてくれる。


【参考情報】
・定価:4200円
・参考価格:2383円
・サイズ:約68x103x13mm
・付属品:オイル・専用フリースケース・注油カップ
・使用温度範囲:マイナス40℃
・メーカー品番:ZHW-JF
・メーカー:Zippo(ジッポー)
・時系列での温度変化:点火後、徐々に温度が上昇し、5~10分程度で(外気温によります)約80℃に達します。その後、オイルが燃焼し切るまでほぼ同じ温度を維持します。

・ボディの中心部にはZIPPOのロゴ、インサイドユニットを思わせる小さな丸い通風抗。一見ライターと見間違えるが、これは高性能プラチナの触媒作用によって、熱を発生させるれっきとした「カイロ」。
24時間発熱(フル充填時)と長時間使用できるうえ、コンパクトサイズの為ポケットにも入れやすい。


■関連商品


Zippo(ジッポー) 交換バーナー ハンディウォーマー用




Zippo(ジッポー) オイル(大)




Zippo(ジッポー) オイル(小)









あなたにおススメの記事
関連記事