2007年から現在の2代目にモデルチェンジして黄緑色のツートンカラーになった。
モデルチェンジ前との差はバックドアの装備とカラーチェンジの2点が主な内容。
旧モデルもインナーテントの後方部分に開閉式のベンチレータを装備していたが、夏場に篭った熱気を逃がすには明らかに物足りない状態だったのでバックドアの装備はモデルチェンジ前から要望されていた「夏場のテント内の熱気」という問題をクリアする強力な改善点でもあった。
それ以外は素材が多少変わった程度で旧モデルと現行モデルで大きな差は無く現在に至る。
設営はインナーテントを自立させるために2本のポールをクロスさせ、更にフライシートを張り出させて前室スペースを広くするためのポールが1本追加されるだけという非常にシンプルな構造となっている。
インナーテントはフック式なのでポールにかけるだけだが、フライシートはベルクロのみでポールに固定される。
このベルクロを付け外しする時には内部にもぐりこんで作業するのが最も早い方法だが、正直面倒とも思える瞬間だ。
これだけがコンパクトツーリングテントSTの最大の欠点だと思うが、逆に言えばベルクロで固定という方法を選んだことで複雑な仕組みが無く、シンプルにまとまっているとも言える。
2007年のモデルチェンジ前にはジュラルミンポールを採用したコンパクトツーリングテントDXという別バリエーションの製品も存在したが、そちらは重量が2.5kgと非常に魅力的な軽さを持っていた。
しかし、値段がSTより1万円高かったことと、前記した夏場の換気の悪さも災いして1年ほどで販売が終了してしまったので現在では通常の店舗では入手できない。(ネットオークションなどで流通在庫や中古品に出会うことがあるだけだ)
STとDXの差は単純にポールの違いだけ、よって現行のSTも旧DXのポールと交換することで1kgの重量軽減を図ることが出来るはずだ。
コールマンに補修部品としてDXのジュラルミンポールを頼むと、1本6千円で購入できるが3本必要なので1万8千円…別のテントが購入できる金額がかかることから実践した人の話は聞いた事が無い。
インナーテントのサイズは210×120×100cmとなっているが、高さは実質的に90cmと考えたほうがいい。
これは構造的にピラミッドのように頂点へ向かって四面が集まる構造になっていることで天頂部が狭くなってしまうのが理由だ。
これを解決しようとするとポールの数を増やすなど複雑な仕組みを採用せねばならず、重量・設営の手間などが増える結果になる。
それさえ我慢できればソロテントとしては十分な底面積が確保され、前後のドアがメッシュ化できることによって十分な通気性を確保したパーソナルテントとなってくれる。
このテントの最大のメリットはポールを1本追加したことによる広い前室だろう。
ペグラウンが必須となるものの奥行き的には80cmほどの数字となり、追加ポールのおかげで上部の空間に大きな余裕が生まれている。
流石に人間が座るには無理がある空間だが、荷物を置いたり、雨の日に小さな机を置いて食事するなどの場所としては十分すぎるスペースだ。
へたな突起物がないこともあって張り綱をしっかり張れば大抵の風には対応できる。
また、重量は3.5kgとは言ってもポール3本、インナーテント、フライシート、ペグ11本、張り綱4本、これが全てというシンプルな構成はキャンプ場を毎日変えていくスタイルのキャンプツーリングでも設営・撤収が苦にならない。
それていて雨の日には十分な広さの前室が確保できるメリットが重なるので今日に至るまで売れている理由なのだろう。
コールマンでは今後も発売を続ける製品と思われるが、季節によって微妙に値段が変わる。
シーズンオフに入りつつある今では1万2千円ほどだが、今年の春先から夏にかけては1万4千円台の価格がついていた。
来シーズンにはもっと魅力的なテントが(コールマンに限らず)出てくる可能性もあるが、この秋から冬の間に安く購入してしまうのも一つの手だろう。(冬になると在庫整理で既に品物がなかったりすることが多い)
・定価:16,275円
・参考価格:11,980円
・耐水圧:約1500mm
・定員:1~2人用
・サイズ:約210×120×100(h)cm
・フライ材質:75Dポリエステルリップストップ(UVPRO、PU防水、シームシール)
・インナー素材:68Dポリエステルタフタ(撥水加工)
・フロア素材:75Dポリエステルタフタ(PU防水、シームシール)
・ポール素材:FRP/約直径8.5mm×2(メイン)、FRP/約直径8.5mm×1(フロント)
・仕様:前室、メッシュドア×2、ストームガード、ベンチレーション、メッシュポケット
・付属品:ペグ、ロープ、キャリーバッグ
・重量:約3.5kg
・メーカー品番:170T7300R
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