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Ryu Shobi

2011年03月29日

[災害]水道水の保存

福島第一原発の放射性物質飛散という事態になり、被災地から遠く離れた東京でもミネラルウォーターが店頭から姿を消す事態となった。
私が住んでいるエリアの店頭でも本日の段階でも慢性的な品切れ状態だが、今更ながら水道水の保存ということを考えて見たい。
ご存知の通り日本の上水道は世界から見ると直接飲むことが出来る稀な好条件だ。
そんな日本の水でも雑菌の発生を抑えるために塩素が混入されている。
この塩素は単に汲み置きしただけでは2日程度で混入した成分の半分以上が消え、3日もすると数パーセント程度しか残らなくなり雑菌が繁殖しやす状態なので飲用水として適さなくなる。
この水道水を可能な限り保存するには以下の方法が考えられる。


1)専用のケースを使う

トライ・カンパニーからメデタンクという商品が出ている。
これは光触媒によって発生酵素を発生させ、水中の有機物(=雑菌の繁殖元)を分解してしまうことで最大3年の保存を実現するタンクとなっている。
注意点は内部を綺麗にしておくことと、可能な限り空気を少なくして水を入れること、、また光触媒の仕組みを活性化させるために一日数時間は直射日光以外の光(室内の蛍光灯や太陽光が室内で反射した光)を取り込む必要がある。
常温で保存可能、しかも塩素などを使わないので体にも負担が無いという理想の保存方法だ。

流石に3年保存した水は心理的に怖いと思われるが、今回のような事態であれば数ヶ月程度の保存で十分な役目を果たすだろう。
こんな御時勢なのでメーカー在庫は無いと思われるが、流通在庫で発見した場合は入手しておくのが得策だろう。
尚、普通のポリタンクは光触媒材質が含まれていないので、水を入れて光があたる場所においても長期間の保存はできない。


2)空きペットボトルを使う

メデタンクが手に入らない場合は空きペットボトルを活用して1週間程度の保存が可能といわれている。
綺麗に洗ったペットボトルに水道水を入れ、”限りなく空気が無い状態”でキャップをしておくだけだ。
この空気が無い状態だが、水道の蛇口から溢れるまで水を入れるまでは誰でも簡単に出来るはずだ。
問題はキャップをする時だが、上からキャップすると僅かな空気がキャップ内部に残ってしまう。
この僅かな空気を除くには二つの方法がある。
一つはキャップを軽く締めた後、ペットボトルのボディを掴んで圧力をかけて水をキャップの隙間から溢れさせつつキャップを締め切ることで空気を減らすことが出来るが、完全に空気を抜くには少々コツがいる。
もう一つはペットボトルを横にして水に沈めることが出来る容器いっぱいに水を張り、水道水が溢れるまで入ったペットボトルをキャップせず、手のひらなどで口を完全に押さえながら容器の水にペットボトルの底部分から沈め、水中内でキャップする方法だ。
手のひらで密閉するときは最初の方法と同じくペットボトルを掴んで圧力をかけて水を溢れ出させながらおさえると空気が無い状態で容器へ沈めることが出来る。
この方法だとほぼ完璧に水だけの状態になるので成功率が高い。

この方法は浄水器や温水器なども通さずに冷たい水道水を蛇口から直接入れてキャップをしてカルキが抜けるのを極力防ぎ、空気の混入を少なくして雑菌の繁殖を抑えるのがコツとなる。
カルキを内部に封じ込めることで殺菌効果が持続することから最大で2週間程度まで保存できるとも言われているが、水道局では汲み置きした水は基本3日、最高でも7日間とアナウンスしてる場合がほとんどなので7日間を最大の保存期間とするのが無難と思われる。
※水道局では4日目以降はカルキによる殺菌効果が無くなる事から飲用水としての使用を推奨していない。

それでも緊急的な状況で7日間ほど保存しなければならない場合は、念のために沸騰させて90度以上の温度を1分以上経過させれば大方の雑菌は駆除できるので健康への被害は少ないはずだ。(いわゆる、「直ちに健康を害するものでは…」という某官房長官のお言葉となります)

私は過去に一週間(7日)経過した水で料理したことがあるが、その時は体調が悪くなるなどの事象は発生しなかったが、この記事を元に実行して健康を害されても当方では保障できないので自己責任にて実施されたい。


3)薬で雑菌効果を持続させる

薬局で入手できる次亜塩素酸ナトリウムを投与することで殺菌効果を継続することが出来る。
しかし、普段から投薬に慣れていない人が濃度を測定する必要があるなど危険性も持ち併せているのでお薦めしかねる。
キャンプ道具屋や防災コーナーを持つ店では天水を飲用するときに使用する殺菌剤(恐らく次亜塩素酸ナトリウム系の薬剤と思われる)があるので、そちらを使用したほうがいいだろう。
投与する場合の容量が素人にもわかりやすく説明されている。
但し、使った人によると薬剤のキツイ味がする商品が多く、殺菌効果の持続力も期待できないので上記2)のペットボトルで7日間以上保存した水に対して使用するのが妥当だろう。


■番外:放射性物質が混入した水は?

誰しも気になることだろう。
特に半減期が約8日と短いものの乳児・幼児には影響の大きい放射性ヨウ素(I131)、子供・大人関係なく体内に蓄積されてしまい半減期が約30年と長い放射性セシウム(Cs137)の除去または軽減が出来ないか考えるはずだ。
私はその方面の専門ではないのでネットで得た範囲の情報だと「できない」という結論だ。
一般的な家庭にある浄水器は活性炭を用いたものがほとんどで
水に溶ける前の大気中の塵などに付着した状態のヨウ素・セシウムであれば、塵が活性炭に吸着されるので効果があるかもしれないが、吸着した活性炭はすぐに交換しなければならないし、水溶性が高いヨウ素では水道の蛇口から出てくるまでの間に水に溶けている可能性のほうが高いだろう。
これらを除去するにはイオン分子レベルで分離させなければならないので、一般家庭の機器での除去は難しいと思える。

■余談:水の消費を抑える

水の確保ができても、成人一人が一日に使う水は3Lが基本といわれている。
これは普段の生活という前提で調理にも水を使った場合の数字なので、非常時でも2L程度と言われている。
ただ、人間は皮膚全体からも僅かな汗を出しているので水分の補給が必要だ、その量も鑑みて最低で2Lとされているのだろう。
それでも貴重な水の消費を少しでも抑えたいと思う人もいると思う。
その場合は料理を炒め物にして水を使わない、電子レンジで蒸す、ホットプレートで炒めつつ蒸す、電子ジャーで蒸すなど、基本的に「炒める」「蒸す」の2種類になるだろう。
勿論、パスタなどの水を大量に使う食材は歓迎されない。
また、今回は洗い物をする水ではなく、体内へ摂取する水という観点のみが問題視されているだけなので、神戸の地震の時に話題となった「お皿にサランラップ」的な技までは必要ないだろう。




■参考情報■

トライ・カンパニー メデタンク

URL:http://www.trycompany.co.jp/products/m_tnk.html



タグ :災害地震

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