2011年04月13日
[災害]ラジオについて
地震などの自然災害で電力が断たれてしまった場合でも情報は欲しくなるもの。
携帯電話を使えば詳しい情報が得られるが、3月11日の首都圏でさえ(いや、首都圏だからか?)基地局に多くのリクエストがあったのかWEBサイトはおろか、メール・通話も使えない状態になってしまった。
その場合でもワンセグなどのTV機能を搭載している携帯ならば情報を得られるが、バッテリーの消費を考えると長時間使えるものではないので、電池で長時間動くことができる機器としてラジオになってしまうだろう。
携帯電話を使えば詳しい情報が得られるが、3月11日の首都圏でさえ(いや、首都圏だからか?)基地局に多くのリクエストがあったのかWEBサイトはおろか、メール・通話も使えない状態になってしまった。
その場合でもワンセグなどのTV機能を搭載している携帯ならば情報を得られるが、バッテリーの消費を考えると長時間使えるものではないので、電池で長時間動くことができる機器としてラジオになってしまうだろう。
昭和の時代には台風が来た程度で停電することが発生する地域もあったので、懐中電燈、ロウソク、ラジオ(ラジカセだったりするがw)あたりが定番の停電対策品として各家庭にあった気もするが、平成の現代では停電も稀になったので馴染みが薄くなっていたと思われる。
私はキャンプ道具として小型ラジオを持っていたので慌てて買いに走ることは無かったが、近所のホームセンターでは懐中電燈や電池と同時に小型ラジオも姿を消してしまった。
災害時に使うラジオという視点で考えると以下のような感じだ。
【ラジオと周波数について】
■周波数帯
普段から「AMラジオ」「FMラジオ」と呼んでいるが、これらは実は周波数の「質」であって「帯域」ではない。
AMラジオと呼んでいるのは電波的には「中波帯(MW)」と呼ばれる凡そ531~1602KHz(0.5~1.6MHz)の周波数を使うラジオ放送を指し、電波モードは「AM」を使う。
FMラジオと呼んでいるのは「超短波帯(VHF)」と呼ばれる凡そ76~90MHzの周波数を使うラジオ放送を指し、電波モードは「FM」を使う。
MHz単位の数字で比較すると「AMラジオ」と呼ばれる周波数は0.5~1.6MHzと幅が1.1MHzしかないが、「FMラジオ」と呼ばれる周波数では76~90MHzと実に14MHzもの幅を持っている。
これは電波モードによるところが大きいが、AM波では幅広い周波数を必要としていないが、FM波はAM波よりも幅広い周波数を必要とする性質があり、ステレオ化のためにWIDE化されているので更に幅広い周波数が必要とされる。
この帯域については理解する必要が無いが、「AMラジオ」と呼んでいるものは「中波」と呼ばれる低い周波数を使うもので、「FMラジオ」と呼ばれるものは「超短波」と呼ばれる高い周波数を使うものだと思えば十分だ。
■周波数の高さによる伝播特性
電波は周波数の高さによって飛び方が異なる。
当blogのキャンプ用ラジオの記事でも地球の上空に存在する電離層の事を書いているが、平たく述べると「低い周波数」は電離層に反射しやすく、「高い周波数」は電離層に反射されずに宇宙空間に突き抜けてしまう。
これが何を意味するかといえば、「AMラジオ」はとんでもない遠くからの放送局を受信することが出来るが、「FM放送」は近くの放送局しか受信できない結果になる。(極論です、大気中のコンディションや受信機側のロケーションなど他の要素で結果は変わります)
これはビリヤードの玉が台の端の壁に反射して転がっていくように、電波が電離層に反射し、更に地上に反射し…を繰り返して遠くに行くことが出来るか・出来ないかということになる。(トンネルの中は声が反射しまくるので遠くまで届くのと同じ、潜水艦や船の伝送管も同じ原理です)
■消費電力
ちょっと前まではトランジスタで構成され、装着パーツが少ないほうが良いという考え方だった。
しかし、ラジオ専用のICの出現によってトランジスタではなく専用ICに僅かな部品でラジオが構成可能となるとハードウェア上の差はバラバラになっている。
むしろ、電波の質によって消費電力が変わる状態だ。
AM放送が消費電力が少なく、FM放送が消費電力が多いと理解すれば十分だろう。
メーカーの公開仕様には稼働時間が明記されているので、それを参考にすればいい。
■受信性能
ラジオは沢山あるが、製品よって性能は大きく異なる。
もちろん、受信感度は高いほうがいいが、無闇に感度を上げても複数の放送局が同時に聞こえてしまう「混信」が発生するので、選択度を上げる必要がある。
しかし、選択度を無闇に上げてしまうと選局(チューニング)がシビアになってしまい、使い勝手が悪くなるなどバランスを取るのが難しくなる。
この選択度とチューニングのしやすさなどを考慮すると部品も多くなり消費電力も増えるので、省電力機構などを入れると価格が高くなるなどコスト面に跳ね返る。
こういった背景から、低価格ラジオは大抵が感度を程ほどに押さえ、高価格なラジオは感度を高めていることが多い。
また、一度決めた周波数が動いてしまうことがある。
「ドリフト」や「バックラッシュ」と呼ばれる事象だが、「バックラッシュ」は主に糸を使ったプーリー式のチューニング方式で発生し、単に糸の"たわみ"でバリコンなどが動いてしまう状態だ。
「ドリフト」は電子パーツが温度差などで数値が変化して発生することが多く、デジタルチューニングのラジオでも低価格帯のラジオで発生することがある。
どちらも微調整していけば安定するので大きな問題ではない。
【災害向けラジオとして考えると】
ここまで拙い知識で「うんちく」を書かせてもらったが、今回の東日本震災のような連動型の地震や、首都圏直下型などに遭遇した場合、居住エリアが広範囲で停電もしくは非難するような事態が想定される。
心配しすぎかと思うが、最悪のケースだと放送局そのものも電力が途絶えてしまい放送が停止され、FM波(超短波)が届かない範囲が発生することがありうる。
そうなると電離層を反射してくるAM波(中波)は夜間になると電波を反射する電離層の位置が高くなるので遠くの放送局が受信できるなど広い地域で停電しても情報を得やすくなる。
その点からもAM波(中波帯)が受信できるラジオは防災用としては必須条件と考えている。
また、電池についても同様のことが言える。
小型で便利だが、電池にコイン電池やボタン電池を使うタイプは予備電池の入手が困難になると思われるので避けたほうがいい。
単三電池・単四電池に絞るのがいいだろう。
またはダイナモ充電器付きのラジオでもいいが、長時間の視聴に多くの充電時間を必要とすることもあるので仕様を確認したほうがいい。
ライトが単三電池を使うのであればラジオも単三電池にして予備電池を共通化しておくと無駄が少なくなる。
尚、音声をイヤフォンで聞くと大きなスピーカーを動かす電力と、小さなイヤフォンを動かす電力の差で電池の消費が減る。
単独で視聴するならばイヤフォンのみして消費電力の削減を考慮したいところだ。
上記のことを踏まえ、ざっくりと書いてしまえばホームセンター・コンビニで売っている2000円程度のポータブルラジオで十分だ。
単三電池2本、AM放送・FM放送受信可能、小型スピーカー内蔵、イヤフォン端子あり、これだけだ。
またはSONY/Panasonicから出ている名刺サイズのカードタイプラジオでも十分な働きをしてくれる。
但し、安物ラジオでも劇的に感度が悪い「地雷」と呼ばれる製品が存在する。
日本で販売されている低価格帯ラジオは中国製がほとんどなので、インターネット掲示板の2ちゃんねるの無線板にある中国製ラジオのスレッドなどで「お薦めできないラジオ」の情報を知るのも自衛手段の一つだ。
尚、SONY/Panasonic/AIWAなどの国内メーカーブランドの製品に地雷的な製品はほぼ無いので安心していいだろう。
あと、ラジオ・発電機・ライトなどが一緒になった複合機でも、コスト削減の為にラジオが最低限の機能の製品が存在考えられる。
使ってみないと判断しようがないが、ネットのクチコミなど世の中の評判を確認してから購入するのがいいだろう。
私の勝手な決め付けでは5千円~3千円の価格帯の製品は概ね信頼できるが、2千円以下の製品は警戒したほうがいい。
(LEDライト・手回しダイナモ発電機能・AM/FMラジオ搭載・携帯電話の充電も可能!的な製品でイメージしてます)
もっとも、2千円以下の製品であれば失敗しても経済的ダメージは少ないのでチャレンジして見る価値があるかもしれない。
総括すると以下の視点で選べばいいと思う。
1)AM/FMの両方が受信できるか
2)大きさは妥当か(持ち運ぶのか、それとも待機させておくのか)
3)電池は入手が容易なものか(単三電池など)
4)最低でも50時間以上(理想は100時間前後)の連続稼動が可能か
5)感度が極端に悪いなど落とし穴が無いか→ネットのクチコミなどで確認
番外1)複合機の場合、同時使用が可能か(ライト・ラジオの同時使用など)
番外2)手回し充電機の場合、バッテリーは2種類使えるか(充電・乾電池)
番外3)手回し充電機の場合、1~2分の充電で30分前後の駆動が可能か
【勝手にお薦めラジオ】
これから防災用にラジオを購入されるのであれば以下の製品を参考に判断するとよいかも知れない。
ただ、現状では入手困難な製品ばかりだと思われるので、スペックなど参考にする程度だと思われる。
■ソニーが被災地に30000台送った製品
SONY ICF-B02
AM/FMラジオ・LEDライト・手回し充電・携帯電話充電・防滴、そして「ソニー」ブランドという災害ラジオとしては申し分ない内容の製品だ。
しかも、内蔵の充電池とは別に単四電池2本を使っての駆動も可能という十分な仕様になっている。
東日本震災の被災地のに向けて3万台をソニーが無償提供した製品でもあるので、この記事を書いている時点では一般市場での入手は困難かと思われる。
ラジオそのものの動作時間は単四アルカリ乾電池+スピーカーでAM放送が約50時間、FM放送が約40時間なので十分だろう。(LEDライトは約30時間)
手回し充電の場合、1分間の充電(120回転/分の速さ)でAMラジオが約60分使用可能となっている。
但し、ラジオとライトが同時使用可能かどうかは不明なので確認が必要だ。
■単四電池1本で105時間駆動する小型ラジオ
SONY ICF-R351
ほぼ名刺サイズ(厚みは12.3mmあるが)の小型ラジオだが、単四電池1本で最大105時間駆動し、イヤフォンは巻き取り式が内蔵、超小型だがスピーカーも内蔵して重さは71gという携帯性に優れたラジオだ。
受信方式も周波数の移動が少ないPLLシンセサイザ方式を採用しているので安定して聞くことが出来る。
このサイズのスピーカーは一人が聞くには十分だが、複数人で聞くには少々辛いものがある。
しかし、イヤフォンの性能は非常に良いので防災カバンに入れておくよりは、通勤などで毎日移動する人がいつものカバンに忍ばせておく非常用ラジオ、または通勤ラジオとして使うのに適している。
同じソニーでも値段がやや低めのアナログ式ラジオも存在するが、そちらは単四電池を2本使うのと、このサイズをダイヤルでチューニングするのは少々面倒なのでデジタル式のこちらをお薦めする。
単四電池1本という省電力なスペックは予備電池も単四1本で済むという非常に防災向けの内容だ。
尚、マンガン・アルカリ乾電池に加えてニッカド・ニッケル水素充電池でも駆動できるので、ほぼ電池を選ばないと思っても過言ではない。
本体外形寸法:55×91×12.3mm(幅×高さ×奥行)
■短波帯も受信できる超格安ラジオ
ELPA ER-21T-N
主にホームセンターで販売されているエルパ(LED懐中電燈で良く見かけるはずだ)が販売している小型ラジオ ER-21T-Nだ。
いわゆるカセットケースサイズの小柄なラジオだが、中身は中国メーカー製のラジオをエルパが日本向けにボタンの文字やFM受信周波数帯の変更を行わせて販売している。
糸巻きダイヤルによるアナログチューニングだが、MWの中波帯(AM)からSWの短波帯(AM)、それにVHFの超短波帯(FM)とスペックだけならば非常に広い範囲の周波数を受信することが出来る。(実際には日本語の放送しか聞かないので短波帯へ競馬と株以外に必要とする人は少ないだろうが…)
電源に単三電池を2本使い、メーカー公表の駆動時間とサイズ・重量は以下の通り。
スピーカー使用時:【【AM】約90時間 【FM】約80時間 【短波】約90時間
イヤホン使用時:【AM】約200時間 【FM】約150時間 【短波】約250時間
外形寸法:122(幅)×75(高さ)×29(厚さ)㎜
質量:約178g(イヤホン、電池を除く)
この製品の欠点は糸巻きダイヤルによるバックラッシュが多めなことだが、実売2千500円程度なので価格を考えれば十分な内容だ。
液晶表示はデジタルだが、その液晶のバックライト点灯ボタンもあるので暗い中でもチューニングに困ることはない。
受信感度もPLLシンセサイザを搭載した最新機種には負けるものの、この価格帯のラジオとしては平均的な部類なので非常用のラジオとしては妥当だろう。
他にも様々なラジオが出ているが、大事なのは「情報が入手できるかどうか」なので、電池駆動可能なラジオが1台も無い場合は何でもいいから入手しておいたほうが安心だろう。
私はキャンプ道具として小型ラジオを持っていたので慌てて買いに走ることは無かったが、近所のホームセンターでは懐中電燈や電池と同時に小型ラジオも姿を消してしまった。
災害時に使うラジオという視点で考えると以下のような感じだ。
【ラジオと周波数について】
■周波数帯
普段から「AMラジオ」「FMラジオ」と呼んでいるが、これらは実は周波数の「質」であって「帯域」ではない。
AMラジオと呼んでいるのは電波的には「中波帯(MW)」と呼ばれる凡そ531~1602KHz(0.5~1.6MHz)の周波数を使うラジオ放送を指し、電波モードは「AM」を使う。
FMラジオと呼んでいるのは「超短波帯(VHF)」と呼ばれる凡そ76~90MHzの周波数を使うラジオ放送を指し、電波モードは「FM」を使う。
MHz単位の数字で比較すると「AMラジオ」と呼ばれる周波数は0.5~1.6MHzと幅が1.1MHzしかないが、「FMラジオ」と呼ばれる周波数では76~90MHzと実に14MHzもの幅を持っている。
これは電波モードによるところが大きいが、AM波では幅広い周波数を必要としていないが、FM波はAM波よりも幅広い周波数を必要とする性質があり、ステレオ化のためにWIDE化されているので更に幅広い周波数が必要とされる。
この帯域については理解する必要が無いが、「AMラジオ」と呼んでいるものは「中波」と呼ばれる低い周波数を使うもので、「FMラジオ」と呼ばれるものは「超短波」と呼ばれる高い周波数を使うものだと思えば十分だ。
■周波数の高さによる伝播特性
電波は周波数の高さによって飛び方が異なる。
当blogのキャンプ用ラジオの記事でも地球の上空に存在する電離層の事を書いているが、平たく述べると「低い周波数」は電離層に反射しやすく、「高い周波数」は電離層に反射されずに宇宙空間に突き抜けてしまう。
これが何を意味するかといえば、「AMラジオ」はとんでもない遠くからの放送局を受信することが出来るが、「FM放送」は近くの放送局しか受信できない結果になる。(極論です、大気中のコンディションや受信機側のロケーションなど他の要素で結果は変わります)
これはビリヤードの玉が台の端の壁に反射して転がっていくように、電波が電離層に反射し、更に地上に反射し…を繰り返して遠くに行くことが出来るか・出来ないかということになる。(トンネルの中は声が反射しまくるので遠くまで届くのと同じ、潜水艦や船の伝送管も同じ原理です)
■消費電力
ちょっと前まではトランジスタで構成され、装着パーツが少ないほうが良いという考え方だった。
しかし、ラジオ専用のICの出現によってトランジスタではなく専用ICに僅かな部品でラジオが構成可能となるとハードウェア上の差はバラバラになっている。
むしろ、電波の質によって消費電力が変わる状態だ。
AM放送が消費電力が少なく、FM放送が消費電力が多いと理解すれば十分だろう。
メーカーの公開仕様には稼働時間が明記されているので、それを参考にすればいい。
■受信性能
ラジオは沢山あるが、製品よって性能は大きく異なる。
もちろん、受信感度は高いほうがいいが、無闇に感度を上げても複数の放送局が同時に聞こえてしまう「混信」が発生するので、選択度を上げる必要がある。
しかし、選択度を無闇に上げてしまうと選局(チューニング)がシビアになってしまい、使い勝手が悪くなるなどバランスを取るのが難しくなる。
この選択度とチューニングのしやすさなどを考慮すると部品も多くなり消費電力も増えるので、省電力機構などを入れると価格が高くなるなどコスト面に跳ね返る。
こういった背景から、低価格ラジオは大抵が感度を程ほどに押さえ、高価格なラジオは感度を高めていることが多い。
また、一度決めた周波数が動いてしまうことがある。
「ドリフト」や「バックラッシュ」と呼ばれる事象だが、「バックラッシュ」は主に糸を使ったプーリー式のチューニング方式で発生し、単に糸の"たわみ"でバリコンなどが動いてしまう状態だ。
「ドリフト」は電子パーツが温度差などで数値が変化して発生することが多く、デジタルチューニングのラジオでも低価格帯のラジオで発生することがある。
どちらも微調整していけば安定するので大きな問題ではない。
【災害向けラジオとして考えると】
ここまで拙い知識で「うんちく」を書かせてもらったが、今回の東日本震災のような連動型の地震や、首都圏直下型などに遭遇した場合、居住エリアが広範囲で停電もしくは非難するような事態が想定される。
心配しすぎかと思うが、最悪のケースだと放送局そのものも電力が途絶えてしまい放送が停止され、FM波(超短波)が届かない範囲が発生することがありうる。
そうなると電離層を反射してくるAM波(中波)は夜間になると電波を反射する電離層の位置が高くなるので遠くの放送局が受信できるなど広い地域で停電しても情報を得やすくなる。
その点からもAM波(中波帯)が受信できるラジオは防災用としては必須条件と考えている。
また、電池についても同様のことが言える。
小型で便利だが、電池にコイン電池やボタン電池を使うタイプは予備電池の入手が困難になると思われるので避けたほうがいい。
単三電池・単四電池に絞るのがいいだろう。
またはダイナモ充電器付きのラジオでもいいが、長時間の視聴に多くの充電時間を必要とすることもあるので仕様を確認したほうがいい。
ライトが単三電池を使うのであればラジオも単三電池にして予備電池を共通化しておくと無駄が少なくなる。
尚、音声をイヤフォンで聞くと大きなスピーカーを動かす電力と、小さなイヤフォンを動かす電力の差で電池の消費が減る。
単独で視聴するならばイヤフォンのみして消費電力の削減を考慮したいところだ。
上記のことを踏まえ、ざっくりと書いてしまえばホームセンター・コンビニで売っている2000円程度のポータブルラジオで十分だ。
単三電池2本、AM放送・FM放送受信可能、小型スピーカー内蔵、イヤフォン端子あり、これだけだ。
またはSONY/Panasonicから出ている名刺サイズのカードタイプラジオでも十分な働きをしてくれる。
但し、安物ラジオでも劇的に感度が悪い「地雷」と呼ばれる製品が存在する。
日本で販売されている低価格帯ラジオは中国製がほとんどなので、インターネット掲示板の2ちゃんねるの無線板にある中国製ラジオのスレッドなどで「お薦めできないラジオ」の情報を知るのも自衛手段の一つだ。
尚、SONY/Panasonic/AIWAなどの国内メーカーブランドの製品に地雷的な製品はほぼ無いので安心していいだろう。
あと、ラジオ・発電機・ライトなどが一緒になった複合機でも、コスト削減の為にラジオが最低限の機能の製品が存在考えられる。
使ってみないと判断しようがないが、ネットのクチコミなど世の中の評判を確認してから購入するのがいいだろう。
私の勝手な決め付けでは5千円~3千円の価格帯の製品は概ね信頼できるが、2千円以下の製品は警戒したほうがいい。
(LEDライト・手回しダイナモ発電機能・AM/FMラジオ搭載・携帯電話の充電も可能!的な製品でイメージしてます)
もっとも、2千円以下の製品であれば失敗しても経済的ダメージは少ないのでチャレンジして見る価値があるかもしれない。
総括すると以下の視点で選べばいいと思う。
1)AM/FMの両方が受信できるか
2)大きさは妥当か(持ち運ぶのか、それとも待機させておくのか)
3)電池は入手が容易なものか(単三電池など)
4)最低でも50時間以上(理想は100時間前後)の連続稼動が可能か
5)感度が極端に悪いなど落とし穴が無いか→ネットのクチコミなどで確認
番外1)複合機の場合、同時使用が可能か(ライト・ラジオの同時使用など)
番外2)手回し充電機の場合、バッテリーは2種類使えるか(充電・乾電池)
番外3)手回し充電機の場合、1~2分の充電で30分前後の駆動が可能か
【勝手にお薦めラジオ】
これから防災用にラジオを購入されるのであれば以下の製品を参考に判断するとよいかも知れない。
ただ、現状では入手困難な製品ばかりだと思われるので、スペックなど参考にする程度だと思われる。
■ソニーが被災地に30000台送った製品
SONY ICF-B02
AM/FMラジオ・LEDライト・手回し充電・携帯電話充電・防滴、そして「ソニー」ブランドという災害ラジオとしては申し分ない内容の製品だ。
しかも、内蔵の充電池とは別に単四電池2本を使っての駆動も可能という十分な仕様になっている。
東日本震災の被災地のに向けて3万台をソニーが無償提供した製品でもあるので、この記事を書いている時点では一般市場での入手は困難かと思われる。
ラジオそのものの動作時間は単四アルカリ乾電池+スピーカーでAM放送が約50時間、FM放送が約40時間なので十分だろう。(LEDライトは約30時間)
手回し充電の場合、1分間の充電(120回転/分の速さ)でAMラジオが約60分使用可能となっている。
但し、ラジオとライトが同時使用可能かどうかは不明なので確認が必要だ。
■単四電池1本で105時間駆動する小型ラジオ
SONY ICF-R351
ほぼ名刺サイズ(厚みは12.3mmあるが)の小型ラジオだが、単四電池1本で最大105時間駆動し、イヤフォンは巻き取り式が内蔵、超小型だがスピーカーも内蔵して重さは71gという携帯性に優れたラジオだ。
受信方式も周波数の移動が少ないPLLシンセサイザ方式を採用しているので安定して聞くことが出来る。
このサイズのスピーカーは一人が聞くには十分だが、複数人で聞くには少々辛いものがある。
しかし、イヤフォンの性能は非常に良いので防災カバンに入れておくよりは、通勤などで毎日移動する人がいつものカバンに忍ばせておく非常用ラジオ、または通勤ラジオとして使うのに適している。
同じソニーでも値段がやや低めのアナログ式ラジオも存在するが、そちらは単四電池を2本使うのと、このサイズをダイヤルでチューニングするのは少々面倒なのでデジタル式のこちらをお薦めする。
単四電池1本という省電力なスペックは予備電池も単四1本で済むという非常に防災向けの内容だ。
尚、マンガン・アルカリ乾電池に加えてニッカド・ニッケル水素充電池でも駆動できるので、ほぼ電池を選ばないと思っても過言ではない。
本体外形寸法:55×91×12.3mm(幅×高さ×奥行)
■短波帯も受信できる超格安ラジオ
ELPA ER-21T-N
主にホームセンターで販売されているエルパ(LED懐中電燈で良く見かけるはずだ)が販売している小型ラジオ ER-21T-Nだ。
いわゆるカセットケースサイズの小柄なラジオだが、中身は中国メーカー製のラジオをエルパが日本向けにボタンの文字やFM受信周波数帯の変更を行わせて販売している。
糸巻きダイヤルによるアナログチューニングだが、MWの中波帯(AM)からSWの短波帯(AM)、それにVHFの超短波帯(FM)とスペックだけならば非常に広い範囲の周波数を受信することが出来る。(実際には日本語の放送しか聞かないので短波帯へ競馬と株以外に必要とする人は少ないだろうが…)
電源に単三電池を2本使い、メーカー公表の駆動時間とサイズ・重量は以下の通り。
スピーカー使用時:【【AM】約90時間 【FM】約80時間 【短波】約90時間
イヤホン使用時:【AM】約200時間 【FM】約150時間 【短波】約250時間
外形寸法:122(幅)×75(高さ)×29(厚さ)㎜
質量:約178g(イヤホン、電池を除く)
この製品の欠点は糸巻きダイヤルによるバックラッシュが多めなことだが、実売2千500円程度なので価格を考えれば十分な内容だ。
液晶表示はデジタルだが、その液晶のバックライト点灯ボタンもあるので暗い中でもチューニングに困ることはない。
受信感度もPLLシンセサイザを搭載した最新機種には負けるものの、この価格帯のラジオとしては平均的な部類なので非常用のラジオとしては妥当だろう。
他にも様々なラジオが出ているが、大事なのは「情報が入手できるかどうか」なので、電池駆動可能なラジオが1台も無い場合は何でもいいから入手しておいたほうが安心だろう。
Posted by Ryu Shobi at 19:03│Comments(0)
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