2013年09月08日
PowerFilm 「USB + AA SOLAR CHARGER」
キャンプ中に携帯電話の充電に困ったことは無いだろうか?
「大自然の中で携帯なんでヤボじゃないか?」と思う人もいるとは思うが、天候情報を得るなど貴重な情報ツールとして携帯電話は必須とも言える。
しかし最近ではスマートフォンなど大容量電池を内蔵した端末も普及し、充電に対する要求が変わってきた。
リチウムイオンバッテリーなど便利なツールも増えてきたが、太陽光をエネルギー源とするソーラー・チャージャーにスポットをあててみたい。
「大自然の中で携帯なんでヤボじゃないか?」と思う人もいるとは思うが、天候情報を得るなど貴重な情報ツールとして携帯電話は必須とも言える。
しかし最近ではスマートフォンなど大容量電池を内蔵した端末も普及し、充電に対する要求が変わってきた。
リチウムイオンバッテリーなど便利なツールも増えてきたが、太陽光をエネルギー源とするソーラー・チャージャーにスポットをあててみたい。
ソーラーチャージャーとしては有名処になるPowerFilm社から手軽な製品としてPowerFilm 「USB + AA SOLAR CHARGER」が出ている。
しかし、この製品はスペックとしては非常に貧弱だ。
単三型二次電池(主にニッケル水素充電池)2本を5時間でフル充電するとなっているが対象は2000mA/hの充電池の場合、エネループプロのような2450mA/hや2700mA/hの製品では充電に必要な時間は更に多く必要だろう。
5時間も雲を踏む遮蔽物無しの条件で直射日光を常に受け続ける状況は運に頼るところが大きい。
よって、フル充電するには丸一日使うくらいの覚悟をしておかないといけないかもしれない。
しかしだ、これを必要とする状況はモバイルバッテリーも使い切って追い詰められた状態だと思う。
その状況ではフル充電よりもわずかな電力でも補充できれば有難いはず。
このタイプの製品はフル充電に拘るより「70~80%まで充電できれば十分」と程々に割り切って使うのが最も効率よく、且つ、精神的にも良い使い方だと思う。
その考えでいけば「5時間」という数字も3時間半から4時間と考えられるので実用的な数字になる。
PowerFilm USB+AAの使い方は簡単だ。
折りたたまれたパネルを開くと単三電池2本が入る電池ボックス部分が見えてくるので透明なカバーを開いて単三型充電池を2本入れ、開いたパネルを太陽光に向けるだけだ。
電池ボックスの横は充電状況を示すLEDと出力端子のUSBジャックが配置されるだけ。
充電中はLEDが点滅して状況を教えてくれる。
単三型充電池に蓄えられた電力はUSBポートを通して供給されるが、USBジャックに充電用のケーブルを差し込むだけで電力が供給される。
つまり、スイッチ操作など面倒な作業は一切なく、非常にシンプルな使い方ということだ。(このあたりが他の製品と大きく異なる、PowerFilmの秀でた面だと思う)
4枚構成の小さな太陽発電パネルではUSB機器を駆動・充電させるだけの電力を安定して作り出せないので単三型充電池無しの状態でUSB機器へ電力を供給することが事実上不可能だ。
取説に記載されている充電中のLEDの動きは以下の通り。
■CHARGING LIGHT
◇【SOLID LIGHT [-]:Batteres are fully charged.】
点灯状態:電池は完全に充電されています。
◇【BLINKING LIGHT [---]:Batteries are charging.】
緩い点滅:電池は充電されています。
◇【RAPID PULSE ["""]:Battery fault】
【(no battery,low battery,battery is backward, or other battery problem).】
速い点滅:バッテリーに問題あり
・電池が装着されていない
・太陽パネルの発電電圧が低すぎる
・電池が片方だけ装着されている
・電池に起因する他の問題
◇【NOLIGHT[ ]:Wait 5 minutes. Replace batteries if no lights appear.】
LEDが光らない:5分間待ってください、それでもLEDが全く光らない場合は電池を交換してください。
ここまでの説明では「なんだ、思ったほど便利に使えないじゃないか」と思うだろう、確かにその通りだ。
それでも記事にしたのは「iPhoneの充電に対応している」という強いメリットがある。
iPhoneは充電する時に一つの仕組みを要求する。
それは4本あるUSB端子の信号線に一定の電圧がかかっていないと急速充電モードにならない点だ。
基本的なUSB仕様では4本あるうち両端の2本が電源線として定義され、片方が-端子となるGND、もう片方が電力線となるVcc+5V線として定義され、供給可能な電流量は500mA/h以下となっている。
中央の2本は信号をやりとりする線として定義され、電圧については定義されていない。
iPhoneではこの信号線に一定の電圧が印加されていない場合はUSB規格内の500mA/h以下の300mA/hで充電するようにiPhone本体側が充電モードを切り替える。
ところが、信号線に2.7Vの電圧が印加されている場合は急速充電モードとなり最大で1A(1000mA/h)で充電可能なモードに切り替わり、充電時間を短縮する仕様となっている。
PowerFilmは2本ある信号線のどちらにも2.7V(実測では2.8Vだったが…)の電圧が印加され、iPhone側は急速充電モードで動作してくれた。(充電ケーブルはアップル純正のiPhone用USBケーブルを使用)
大容量充電を謳いながらも信号線に一定の電圧が印加されていない製品では300mA/hの電流量でゆっくり充電してしまうので、この急速充電モード対応というのは非常に心強い。(そもそも充電に対応していないとiPhone側が判断した場合は全く充電しない状態になってしまう)
試しに、エネループ(1.2V/1900mA/h)2本を通常の充電器でフルに充電してPowerFilm USB+AAに装着し、0%になって自動的にスリープモードに入った状態の(つまりバッテリーを最後まで使い切った)iPhone4Sに接続して充電可能な電力を確認したことがある。
iPhoneはバッテリーを使い切ってしまうと充電モードに入るまでの間に程々の電力を要求するのかACアダプタ接続しないとダメな時があると聞いていたが、PowerFilm USB+AAに接続してしばらくすると充電モードに入り、何事もなく充電を始め、そのまま充電を続けて3時間ほど経過したころに充電モードが終了した。
エネループ側の電力が無くなり、iPhone4Sが充電不可能と判断した瞬間だった。
この時点でバッテリー容量を確認すると40%、凡そ5分の2の充電能力があったということになる。
これを少ないとみるかは状況によって異なるだろう。
iPhoneは電波状況が悪い環境では基地局の電波を探して以上に電力を消費することも知られている。
キャンプ場では電波が到達しにくい山間部に位置することもあるので、通話も通信もしていないのに気が付けば1日でバッテリーが0%になってしまうことも珍しくない。(そのかわり電波を安定して掴んでいる状況では1日放置しても10%以下の消耗で済むことがほとんど)
バイク・モバイルバッテリーから電力を供給できる状況であれば心配は不要だが、バッテリーレスのバイクを使用している場合や、モバイルバッテリーを使い切った場合の保険としてコンパクトなPowerFilm USB+AAを荷物に忍ばせておくと非常に心強いと思う。
尚、実行する人はいないと思うが(予算的にも効率的にも)、PowerFilmの製品でUSB端子を持たない6枚パネルのPowerFilm AA Solar Chargerがある。
最大で単三型電池を4本充電でき、充電は2本単位で行うことが可能な製品だ。
こちらは太陽光パネルが多い関係で単三型充電池が2本なら最短3時間半でフル充電可能なスペックだ。
充電はPowerFilm AA Solar Chargerで行い、端末への充電はPowerFilm USB+AAで行う…という2台体制なら効率は良くなるが、それだけの予算・積載スペースがあれば1000mA/hクラスのモバイルバッテリーが購入・積載できるので数泊程度のキャンプではメリットが無いのだろう…(自分でもそう思う)
また、春や秋の高地では気温が冷え込むこともあるが、その場合にニッケル水素電池は本来の電力を発揮できないこともある。
リチウムイオン電池ならば低温対策にもなるのだが、PowerFilmの製品に充電電池を専用のリチウムイオン電池(3.7V 2400mA/h)にした製品が出ている。
USBポートの出力も5V 1,000mA以上となっているのでiPhoneなどのスマートフォンをターゲットにした製品だ。
最後に、PowerFilm AAシリーズがiPhoneの充電に対応したのが2009年と言われている。
また、2010年の出荷分からiPhone4(4S)に対応し、2009年出荷分のPowerFilm USB+AAをiPhone4(4S)に接続すると充電してくれないという話も聞いている。
長期在庫品や中古品を入手する場合には注意が必要だ。
同じ理由で最新モデルとなるiPhone5(5S/5C?)も充電可否については最新ロットのPowerFilmが望ましいとなるので、確認してから購入するのが良いだろう。
Posted by Ryu Shobi at 16:20│Comments(0)
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